実家の整理や引き出しの奥から、五輪マークの入った記念硬貨が出てきませんでしたか。
「古いオリンピックの硬貨だから、価値があるのでは」と気になる一方で、いくらで売れるのか、そのまま使ってよいのかが分からず、手が止まっているかもしれません。
この記事では、造幣局・財務省・日本銀行の公表資料と、ヤフオクの落札実績をもとに、日本で発行されたオリンピック記念硬貨の相場の目安を、大会ごとに整理します。
・オリンピック記念硬貨でも、1万円金貨・千円銀貨と、100円・500円の白銅貨やクラッド貨とでは、価格の水準が大きく違います。
・額面を大きく上回るのは、長野と東京2020の1万円金貨、東京2020の千円銀貨、1964年の千円銀貨・100円銀貨です。
・札幌の100円は中央値200円、長野の500円は中央値599円で、落札の中心は数百円です。東京2020の100円は、単体の落札が130円でした。
オリンピック記念硬貨の買取価格|額面より高いのはどれか
調査日は2026年10月22日です。ヤフオクの終了分から、1枚単体(または記載のセット)の落札だけを個別に選び、集計しました。まとめ売り・複数枚・空ケースだけの出品・鑑定会社の鑑定済みの品は除いています。鑑定済みの品は、後ほど別に紹介します。
「中央値」は、価格を安い順に並べたときの真ん中の値です。
| 硬貨 | 額面 | 落札の目安(件数/中央値) | 額面との関係 |
|---|---|---|---|
| 1964年東京 千円銀貨 | 1,000円 | 3,850〜5,500円(43件/4,511円) | 約3.9〜5.5倍 |
| 1964年東京 100円銀貨 | 100円 | 580〜1,200円(13件/700円) | 約5.8〜12倍 |
| 1972年札幌 100円白銅貨 | 100円 | 91〜1,780円(20件/200円) | 中央値は額面の約2倍 |
| 1998年長野 1万円金貨 | 10,000円 | プルーフ貨幣セット 375,100〜458,000円(13件/410,000円) | 額面を大きく超える |
| 1998年長野 5000円銀貨 | 5,000円 | 4,820〜6,600円(33件/5,294円) | 額面付近〜約1.3倍 |
| 1998年長野 500円白銅貨 | 500円 | 390〜799円(29件/599円) | 額面付近 |
| 2020年東京 1万円金貨 | 10,000円 | プルーフ貨幣セット 360,000〜405,000円(8件/384,965円) | 額面を大きく超える |
| 2020年東京 千円銀貨 | 1,000円 | 競技別のプルーフ貨幣セット 7,750〜10,500円(41件/8,555円) | 約7.8〜10.5倍 |
| 2020年 開催引継記念千円銀貨 | 1,000円 | 8,910〜14,500円(7件/13,500円) | 約8.9〜14.5倍 |
| 2020年東京 500円(雷神・風神の2枚セット) | 1,000円分 | 1,200〜2,700円(35件/1,500円) | 約1.2〜2.7倍 |
出典:ヤフオク落札実績(2026年10月22日確認)。期間は、1964年千円銀貨が10月19〜22日、同100円銀貨が10月14〜22日、札幌が9月2日〜10月20日、長野の金貨が5月10日〜10月14日、5000円が8月25日〜10月18日、500円が8月30日〜10月21日、2020年の金貨が6月3日〜10月1日、千円銀貨が9月18日〜10月20日、500円が8月11日〜10月17日です。出品名に別の貨幣名(鳳凰・稲穂など)が含まれるものも除いています。2020年東京の千円銀貨は、オリンピック分の集計です。
長野の5000円銀貨は、33件が4,820〜6,600円で、1,600円の落札が1件ありました。表は33件の範囲です。
金貨の落札は、金貨のみではなく、プルーフ貨幣セットとして出品されたものです。金貨以外の貨幣が含まれる場合があり、金貨1枚の価格ではありません。
まず確認したいこと|額面で使えます
日本銀行は、記念貨幣について次のように案内しています。
記念貨幣も、通常の貨幣と同様に、使用することができます。ただし、記念貨幣は、いろいろな素材で作られていたり、大きさが異なったりするため、自動販売機などでは使えないことがあります。記念貨幣は、日本銀行や金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えることができます。
出典:日本銀行「教えて!にちぎん」記念貨幣は実際に使うことができますか?
つまり、額面より安く手放す必要はありません。売るかどうかは、上の表の落札相場と額面を見比べて決められます。
東京2020の100円クラッド貨と500円バイカラー・クラッド貨は、財務省が金融機関の窓口で引換えを行った記念貨幣です。一方、1万円金貨と千円銀貨は、造幣局の通信販売で販売されました。
銀行や郵便局での交換については、次の記事でまとめています。
1964年東京オリンピック|千円銀貨と100円銀貨
1964年(昭和39年)の東京オリンピックでは、千円銀貨と100円銀貨が発行されました。造幣局の記念貨幣データでは、発行枚数は次のとおりです。
| 項目 | 千円銀貨 | 100円銀貨 |
|---|---|---|
| 素材(造幣局) | 銀925・銅75 | 銀600・銅300・亜鉛100 |
| 量目・直径 | 20g・35mm | 4.8g・22.6mm |
| 発行枚数 | 1,500万枚 | 8,000万枚 |
| 銀の含有量(量目×品位から計算) | 約18.5g | 約2.9g |
| 落札(中央値) | 4,511円 | 700円 |
出典:造幣局「記念貨幣データ」および各貨幣の個別ページ、ヤフオク落札実績
千円銀貨の落札は、最小3,850円、最大5,500円でした。最高額の5,500円は、未使用で、コインカプセルに入っていたものです。ケース付きや美品は4,535〜5,000円、ジャンク表記は4,401〜4,511円でした。
100円銀貨は、最小580円、最大1,200円です。「新品・未使用」の表記があるものが580円でした。
次の古銭は、サイトの詳細ページで、価値や買取相場を確認できます。
1972年札幌冬季オリンピック|100円白銅貨
札幌冬季オリンピックでは、100円白銅貨が発行されました。素材は白銅(銅750・ニッケル250)、量目は12g、発行枚数は3,000万枚です(造幣局)。
落札は、単体の20件が91〜1,780円で、中央値は200円です。15件が91〜300円に集まっており、額面の100円を下回る91円の落札が1件ありました。400〜1,000円が4件、最高は1,780円です。
中央値は額面の約2倍ですが、金額にすると100円ほどの差です。額面で使うか、金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換える選択肢もあります。
1998年長野冬季オリンピック|金貨・5000円・500円
長野冬季オリンピックでは、第1次〜第3次の3回に分けて、各回に1万円金貨、5000円銀貨、500円白銅貨が発行されました(合計9種類)。第1次・第2次は平成9年、第3次は平成10年です。
| 貨種 | 素材 | 量目 | 発行枚数(各次) |
|---|---|---|---|
| 1万円金貨 | 純金 | 15.6g | 5.5万枚 |
| 5000円銀貨 | 銀925・銅75 | 15g | 500万枚 |
| 500円白銅貨 | 白銅 | 7.2g | 2,000万枚 |
出典:造幣局「記念貨幣データ」
1万円金貨は、純金15.6gの貨幣です。落札はプルーフ貨幣セットで、375,100〜458,000円(13件)でした。大黒屋 仙台Parco店の買取案内のページでは、長野の1万円金貨3種が各「〜270,000円」と記載されています。ページには、状態・相場・在庫によって変動するとの注記があります。同じページには、長野の1万円金貨・5千円銀貨・5百円白銅貨のセットが「〜275,000円」とあり、落札のプルーフ貨幣セットとは別のものです。
売るタイミングについては、次の記事で整理しています。
5000円銀貨は、33件が4,820〜6,600円で、額面の5,000円付近です。500円白銅貨は、390〜799円で、中央値は599円でした。額面の500円を下回る落札が3件(390円、488円、490円)ありました。
500円の記念硬貨については、次の記事で、種類ごとの落札相場を表にしています。
次の古銭は、サイトの詳細ページで確認できます。
2020年東京オリンピック・パラリンピック
東京2020大会の記念貨幣は、財務省の発表によると、4回に分けて発行されました。1万円金貨、千円銀貨、500円バイカラー・クラッド貨幣、100円クラッド貨幣があります。
| 貨種 | 素材 | 量目 | 発行枚数 | 入手方法(発行時) |
|---|---|---|---|---|
| 1万円金貨 | 純金 | 15.6g | オリンピック各4万枚 | 造幣局の通信販売 |
| 千円銀貨 | 純銀 | 31.1g | 各約10万枚 | 造幣局の通信販売 |
| 500円バイカラー・クラッド | ニッケル黄銅・白銅・銅 | 7.1g | 各400万枚 | 金融機関の窓口で引換え |
| 100円クラッド | 白銅・銅 | 4.8g | 各約395万枚 | 金融機関の窓口で引換え |
出典:造幣局「記念貨幣データ」、財務省 東京2020大会記念貨幣の報道発表
1万円金貨
オリンピックの1万円金貨の落札は、プルーフ貨幣セットで360,000〜405,000円(8件)でした。中央値は384,965円です。大黒屋 仙台Parco店のページでは、第一次・第三次とも「〜270,000円」と記載されています。
千円銀貨
千円銀貨の発行時の販売価格は、第1・2次が9,500円、第3・4次が9,676円(税込)でした(財務省)。競技別のプルーフ貨幣セットの落札は7,750〜10,500円(41件、中央値8,555円)で、発行時の販売価格に近い範囲です。
リオ2016から東京2020への開催引継記念の千円銀貨は、各5万枚の発行で、販売価格は9,500円でした。落札は8,910〜14,500円(7件、中央値13,500円)です。
500円と100円
500円は、雷神(オリンピック)と風神(パラリンピック)の2枚セットで、落札が1,200〜2,700円(35件、中央値1,500円)でした。雷神・風神の単体は、600〜980円でした(9件)。
100円クラッド貨は、第1次〜第4次のセットでの出品が中心です。落札は、5〜7種を各1枚のセットで700〜1,150円、20枚のセットで2,500円でした。単体の落札は130円です(3件)。
東京2020の500円と100円は、金融機関の窓口で引換えができる記念貨幣です。額面で使えるため、落札が数百円にとどまる硬貨は、無理に売る必要はありません。
鑑定済みの品は、別枠で高く落札されています
ヤフオクには、米国の鑑定会社PCGSの鑑定を受け、専用のケースに入った品が出品されています。通常の品と別に集計すると、次のとおりです。
| 硬貨 | 件数 | 落札の範囲(中央値) |
|---|---|---|
| 1964年 100円銀貨 | 6件 | 2,801〜10,010円(5,444円) |
| 1972年 札幌100円 | 7件 | 3,100〜8,000円(4,100円) |
| 1998年 長野500円 | 10件 | 3,000〜5,361円(3,450円) |
| 1998年 長野5000円 | 2件 | 11,130円、14,100円 |
| 2020年 100円クラッド | 18件 | 1,000〜4,600円(2,100円) |
出典:ヤフオク落札実績(2026年10月22日確認)
鑑定済みの品は、通常の品より高い価格で落札されています。手元の硬貨が同じ評価になるかは、鑑定を受けるまで分かりません。鑑定を依頼するかどうかを考えるときは、次の記事の費用の話が参考になります。
売る前に気をつけたいこと
- 汚れを落とそうとして、傷をつけないようにする(銀貨や金貨は、特に注意が必要です)
- ケースやカプセルに入っているものは、そのまま保管する(1964年の千円銀貨は、カプセル入りの未使用品が最高額でした)
- プルーフ貨幣セットは、箱や中の貨幣をバラさずに査定を頼む
汚れ落としの注意点は、次の記事でまとめています。
売る場合、どこに頼むか
| 硬貨 | 向いている選び方 |
|---|---|
| 1万円金貨・千円銀貨・1964年の銀貨 | 額面を上回る落札が確認できるため、買取業者の査定も選べます |
| 100円・500円の白銅貨・クラッド貨 | 額面で使えます。窓口での引換えもできます |
ヤフオクやメルカリでの売り方と手数料は、次の記事で整理しています。
業者を比べたいときは、買取業者一覧で、各社の特徴や対応している買取方法を確認できます。複数の業者で見積もりを取って比べておくと、金額の違いを確認してから決められます。
まとめ
- オリンピック記念硬貨は、記念貨幣として額面で使えます(日本銀行)
- 額面を大きく超えるのは、長野・東京2020の1万円金貨と、東京2020の千円銀貨です
- 1964年東京の千円銀貨(約3.9〜5.5倍)、100円銀貨(約5.8〜12倍)も、額面を上回っています
- 札幌の100円(中央値200円)、長野の500円(中央値599円)は、落札の中心が数百円です
- 金貨の落札はプルーフ貨幣セットのものです。金貨1枚の価格ではありません
よくある質問
Q. 東京オリンピックの記念硬貨100円は、今いくらで売れますか?
A. 1964年の100円銀貨は、ヤフオクの落札が580〜1,200円でした(13件、中央値700円)。2020年の100円クラッド貨は、5〜7種のセットで700〜1,150円、単体で130円の落札があります。
Q. 1964年東京オリンピックの千円銀貨は、いくらで売れますか?
A. ヤフオクの落札は、3,850〜5,500円でした(43件、中央値4,511円)。未使用でコインカプセルに入ったものが最高の5,500円です。
Q. 長野オリンピックの記念硬貨に価値はありますか?
A. 1万円金貨は純金15.6gで、落札はプルーフ貨幣セットとして375,100〜458,000円でした。5000円銀貨は4,820〜6,600円、500円白銅貨は390〜799円で、額面付近です。
Q. 札幌オリンピックの100円玉は、売れますか?
A. 単体の落札は91〜1,780円で、中央値は200円でした(20件)。額面の100円を下回る落札も1件あります。
Q. 東京2020の記念硬貨は、そのまま使えますか?
A. 日本銀行は、記念貨幣も通常の貨幣と同様に使用できると案内しています。自動販売機では使えないことがあります。その場合は、金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えます。
Q. オリンピック記念硬貨で、いちばん高いものはどれですか?
A. 今回調べた範囲では、長野と東京2020の1万円金貨です。落札はプルーフ貨幣セットで36万〜46万円ほどでした。金貨1枚の価格ではありません。