古い硬貨が出てきたけれど、銀行や郵便局でそのまま交換できるのか悩んでいませんか?結論から言うと、交換できるケースはあります。ただし、硬貨を銀行や郵便局に持ち込むと枚数に応じて手数料がかかることが多く、また古い硬貨の中には額面以上の価値が付くものもあるため、交換する前に確認した方がよい場合があります。本記事では、古い硬貨を交換できる場所、手数料の考え方、交換より先に価値を調べるべきケースまで分かりやすく解説します。
古い硬貨は交換できる?

古い硬貨と一口に言っても、法律上の扱いは「現在も発行されている硬貨・記念硬貨」と「江戸時代以前の古銭」で大きく異なります。
現行の1円〜500円硬貨や、東京オリンピック・地方自治法施行60周年記念貨幣などの記念硬貨は、現在も法律上有効な貨幣です。「日本の記念貨幣」の発行実績を見ても、これまでに発行された記念貨幣で法令上通用停止(失効)になったものはなく、全種類が法定通貨として現在も有効です。つまり、記念硬貨も含め、額面どおりの金額として使う権利自体はあります。
一方、寛永通宝や天保通宝といった江戸時代の古銭は、昭和28年(1953年)末に施行された「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」により、円未満の通貨とあわせて完全に通用停止となっています。江戸時代に発行された貨幣はこの時点ですべて法律上無効になっており、現在の「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」が定める貨幣そのものでもありません。つまりこれらは、銀行や郵便局で額面交換の対象になる「古い硬貨」ではなく、そもそも別のカテゴリーの「古銭」として扱われます。
交換できる古い硬貨の基本パターン
現行硬貨(1円〜500円)と記念硬貨(東京オリンピック記念貨幣、地方自治法施行60周年記念貨幣など)は、法律上は額面どおりに使える貨幣です。銀行や郵便局の窓口、あるいは日常の買い物でも、理屈のうえでは額面価格で扱ってもらえます。
ただし、これはあくまで法律上のルールです。実際にはお店のレジや自動販売機は現在よく流通している硬貨のデザインを基準に作られているため、記念硬貨や古いデザインの硬貨を入れても認識されず、使えないことがあります。「法律上は使えるはずなのに、レジで断られた」という状況が起こるのはこのためです。銀行や郵便局に持ち込むことになる背景には、こうした実店舗での使いにくさもあります。
ただし、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第7条により、同じ種類の硬貨は一度の支払いで20枚までしか法律上の強制力を持ちません。21枚以上を同じ硬貨だけで支払おうとした場合、相手側(お店など)は受け取りを拒否できます。これは硬貨に限った制限で、紙幣(日本銀行券)には枚数の制限がなく、何枚でも無制限に使えます。
交換しない方がよい古い硬貨もある
古い硬貨の中には、発行年や状態によって、額面よりも高い価値が付くものがあります。特に発行数が少ない年の硬貨や、状態の良い記念硬貨はコレクター需要があり、額面で交換・使用してしまうとその価値を活かせないまま終わってしまいます。
見た目が地味な現行硬貨であっても、製造年によっては価値が付くことがあるため、「古そうだから」という理由だけで額面処理してしまう前に、一度種類を確認しておくと安心です。
古い硬貨はどこで交換できる?
古い硬貨・記念硬貨の交換や入金は、主に銀行・郵便局(ゆうちょ銀行)・日本銀行の3つの窓口が関係しますが、それぞれ役割と対応が異なります。
銀行で交換できるケース

三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行などの主要行では、窓口での硬貨の入金や両替に対応しています。ただし2020年前後から、各行とも枚数に応じた手数料を導入しています。窓口での入金は無料の枚数枠がある一方、ATMでの硬貨入金は無料としている大手行が多いのも特徴です。
主要行・ゆうちょ銀行の窓口での硬貨取扱手数料(入金)の目安は以下のとおりです(無料になる枚数の上限が銀行ごとに異なる点に注意してください)。
| 金融機関 | 無料の枚数 | それを超えて500枚まで | 501〜1,000枚 |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 100枚まで | 550円 | 1,100円 |
| 三井住友銀行 | 300枚まで | 550円 | 1,100円 |
| みずほ銀行 | 100枚まで | 550円 | 1,320円 |
| ゆうちょ銀行 | 50枚まで | 550円 | 1,100円 |
※2026年時点の各行公表資料をもとにした目安です。手数料は改定されることがあるため、実際に持ち込む際は各金融機関の最新情報を確認してください。ATMでの入金は、ゆうちょ銀行を除く大手行では無料としているところが多くなっています。
郵便局(ゆうちょ銀行)で交換できるケース
「郵便局」と「ゆうちょ銀行」は同じ窓口に見えますが、郵便局が扱うのは郵便・荷物のサービス、硬貨の入金や両替といったお金の取り扱いはゆうちょ銀行のサービスです。窓口の場所は同じ郵便局の建物内にあることが多いため、古い硬貨を交換したい場合は「郵便局に行く」というより「郵便局内にあるゆうちょ銀行の窓口を利用する」というイメージを持っておくと分かりやすくなります。
ゆうちょ銀行は2022年1月17日から、それまで無料だった硬貨の入金・払戻に手数料を導入しました。窓口では1〜50枚まで無料、51枚以上は枚数に応じて550円〜の手数料がかかります(2024年4月の改定で一部区分が変更されています)。ATMで硬貨を入金する場合は、1〜25枚でも110円かかるなど、窓口より手数料が発生しやすい設計になっています。ゆうちょ銀行の公表資料には「汚損硬貨および記念硬貨も算定対象」「店舗・郵便局の繁忙状況等により、大量の硬貨のお持ち込みをお断りする場合がある」とも明記されています。
日本銀行に相談するケース
日本銀行は、汚れたり破損したりした紙幣・硬貨を無料で引き換える「損傷現金の引換え」窓口を設けています。事前予約が必要で、日本銀行の本支店でのみ対応しています。ただし、日本銀行は通常の「両替」業務そのものは行っておらず、日本銀行の案内でも「両替をご希望の方は、お近くの金融機関にご相談ください」と明記されています。日本銀行の引換制度は、記念貨幣のように「流通に不便なお金」も対象にしていますが、これは損傷・不便なお金を正規のお金に引き換える制度であって、価値を査定してくれる制度ではない点に注意が必要です。
古い硬貨の交換で手数料はかかる?
古い硬貨を銀行や郵便局に持ち込むと、多くの場合、枚数に応じた手数料が発生します。
両替手数料が発生しやすいケース
窓口での大量の硬貨の持ち込みは、ほぼすべての金融機関で手数料の対象になります。ゆうちょ銀行・三菱UFJ銀行・みずほ銀行はいずれも100枚〜500枚を超えたあたりから数百円の手数料がかかる料金体系になっており、「無料で何枚でも交換できる」わけではありません。
入金扱いと交換扱いで考え方が違う
金融機関によって、口座に「入金」する場合と、その場で別の金種に「両替」する場合とで手数料体系が異なります。例えばみずほ銀行では、口座を持っている人が窓口で少量(1〜10枚)を両替する場合は1日1回無料になる一方、口座がない場合や大量の場合は手数料がかかります。どちらの扱いになるかで負担が変わるため、目的が「処分」なのか「両替」なのかによって窓口での案内も変わってきます。
手数料より価値の方が大きいケースがある
ゆうちょ銀行の公表資料が明記しているとおり、記念硬貨も硬貨取扱料金の対象です。つまり、額面以上の価値があるかもしれない記念硬貨を、わざわざ手数料を払って額面どおりに処理してしまうと、その差額分を失うことになります。手数料の高さそのものより、「額面処理してしまうこと」自体が損になるケースがある、という点が重要です。
古い硬貨を交換する前に価値を確認したい理由
古い硬貨の中には額面以上で見られるものがある
記念硬貨は発行から年数が経つと、コレクター需要や状態によって額面を上回る価格で取引されることがあります。現行硬貨についても、発行年や製造上の特徴によって価値が変わることがあります。銀行や郵便局の窓口では、こうした価値の有無までは判断してもらえません。
見た目だけでは判断しにくい
記念硬貨や古い硬貨は種類が多く、専門知識がないと「価値があるかどうか」を見た目だけで判断するのは難しいものです。何の硬貨か分からない場合は、まず種類を確認することが最初のステップになります。
汚れや傷があっても相談する価値はある
硬貨が汚れていたり傷んでいたりすると「価値はないだろう」と思われがちですが、それだけで判断はできません。自己流で磨いたり洗浄したりすると、かえって硬貨の状態を損ねて価値を下げてしまうことがあるため、汚れが気になる場合も、まずは磨かずにそのままの状態で確認することが大切です。
こんな人は交換より見積もり向き
実家や遺品整理でまとめて出てきた人
実家の片付けや遺品整理で、古い硬貨や記念硬貨がまとまって出てくることがあります。種類も枚数も多いと、1枚ずつ銀行に持ち込んで判断するのは現実的ではありません。こうした場合は、まとめて価値を確認してから対応を決める方法もあります。
価値があるか分からず不安な人
「これは価値があるのか、ただの古い硬貨なのか分からない」という状態のまま銀行に持ち込んで額面処理してしまうと、後から価値に気づいても取り戻せません。判断に迷う場合は、交換より先に確認する方が安心です。
1枚ずつ調べる時間がない人
硬貨の種類や発行年を1枚ずつ調べるのは手間がかかります。まとめて確認できる方法を使えば、時間をかけずに全体の傾向を把握できます。
よくある質問
古い硬貨はATMで交換できますか?
ATMでの硬貨の取り扱いは金融機関によって異なります。大手銀行のATMでは硬貨入金を無料としているところが多い一方、ゆうちょ銀行のATMでは硬貨の預入・払戻ともに手数料がかかります。コンビニ設置のATM(イーネットATM、セブン銀行ATMなど)は硬貨の取り扱い自体ができない場合があります。
古い硬貨は郵便局で必ず交換できますか?
ゆうちょ銀行の窓口では、1〜50枚までは無料で硬貨の入金・払戻に対応していますが、51枚以上になると枚数に応じた手数料がかかります。また、店舗の繁忙状況によっては大量の持ち込みを断られる場合があると、ゆうちょ銀行自身が公表資料で明記しています。
口座がない銀行でも硬貨を交換してもらえますか?
金融機関によって対応は異なります。みずほ銀行のように、口座を持っている人には少量の両替を無料にしている一方、口座がない場合は手数料がかかる、という料金設計をしている銀行もあります。窓口に持ち込む前に、口座の有無で扱いが変わるかどうかを確認しておくとスムーズです。
近くに日本銀行の窓口がない場合はどうすればいいですか?
日本銀行の窓口は全国の本支店に限られているため、近くにない場合も珍しくありません。日本銀行は汚損・破損した現金の引換えを扱っていますが、通常の両替業務は行っていないため、そもそも「両替」が目的であれば、最初から近くの銀行や郵便局に相談する方が現実的です。
古い硬貨は全部額面どおりですか?
現行硬貨や記念硬貨は、現在もすべて法律上有効な貨幣であり、額面どおりに使う権利はあります。ただし、額面を上回る価値が付いているものもあるため、「額面どおりで問題ない」と決めつけずに、一度種類を確認しておくと安心です。
汚れている古い硬貨でも見てもらえますか?
汚れているからといって、それだけで価値がないとは限りません。自己判断で磨いたり洗浄したりせず、そのままの状態で確認することをおすすめします。
まとめ
古い硬貨・記念硬貨は、現在も法律上は額面どおりに使える貨幣です。ただし、銀行や郵便局に持ち込むと枚数に応じた手数料がかかることが多く、記念硬貨も手数料の算定対象になります。また、額面以上の価値が付いている古い硬貨を、手数料を払ってまで額面処理してしまうのはもったいないケースもあります。交換する前に、まずは価値だけ確認してみるのも一つの方法です。
古い硬貨が複数ある場合や、種類が分からず判断に迷う場合は、1枚ずつ調べるより、まとめて確認した方が早いこともあります。古銭場なら、こうした古い硬貨や記念硬貨について、複数の買取業者に無料で一括見積もりを依頼できます。銀行や郵便局に持ち込む前に、まずは価値だけ確認しておきたいという方は、気軽に利用してみてください。