古い硬貨を銀行に持っていけば交換できるのか、手数料はいくらかかるのか気になりますよね。結論から言うと、銀行で対応できる場合はありますが、「交換」「両替」「入金」では扱いが異なり、口座の有無や枚数によっても手数料の条件が変わります。本記事では、古い硬貨や記念硬貨をどこに持ち込むべきか迷っている方向けに、銀行での取り扱いに絞って、手数料の仕組みと窓口・ATMそれぞれの実務ポイントを解説します。
銀行で古い硬貨を交換できる?
結論から言うと、現行硬貨(1円〜500円)や記念硬貨であれば、銀行の窓口での対応が可能です。これらは現在も法律上有効な貨幣だからです。一方、寛永通宝や天保通宝のような江戸時代の古銭は、現在すでに法律上通用停止となっており、銀行の通常業務の対象外になります。「古そうな硬貨だから」という理由だけで一律に判断せず、まずは現行硬貨・記念硬貨なのか、それとも江戸時代の古銭なのかを見極めることが最初のポイントです。※見分け方や制度の詳しい背景は「 古い硬貨は交換できる?銀行・郵便局・手数料・価値の見分け方 」の記事で解説しています。
ここから先は、銀行での交換に絞って、手数料の仕組みや窓口・ATMの実務ポイントを詳しく見ていきます。
銀行での「交換」「両替」「入金」は何が違う?

古い硬貨を銀行に持ち込む場面では、「交換」「両替」「入金」という言葉が混同されがちですが、銀行の手続き上はそれぞれ扱いが異なります。
交換と両替の違い
「両替」は、硬貨や紙幣を同じ金額の別の金種に替えること(例: 100円玉100枚を1万円札1枚に替える)を指します。窓口での両替は「大量硬貨取扱手数料」などの名目で、枚数に応じた手数料がかかる銀行がほとんどです。
入金扱いになるケース
口座を持っている場合は、硬貨をそのまま口座に入金することもできます。多くの銀行では、両替(金種変更)と入金とで手数料の体系が分かれており、同じ枚数でもどちらの手続きにするかで負担が変わることがあります。
利用目的で案内が変わることがある
「口座に入れて処分したい」のか「その場で別の金種に替えたい」のかで、窓口での案内や必要な手続きが変わります。目的をはっきりさせてから窓口に行くと、やり取りがスムーズです。
古い硬貨を銀行で交換すると手数料はいくらかかる?
口座の有無で変わる無料枠
多くの銀行では、口座を持っている人には少量の両替を無料にする一方、口座がない場合は少額でも手数料がかかる料金設計になっています。例えばみずほ銀行では、口座保有者が窓口で1〜10枚程度を両替する場合は1日1回無料になりますが、口座がない場合は数百円の手数料がかかります。
枚数が増えると段階的に手数料が上がる
窓口での大量の硬貨の持ち込みは、多くの銀行で「大量硬貨取扱手数料」のような名目の手数料が設定されています。無料になる枚数の上限や、その先の手数料額は銀行ごとに異なるため、正確な金額は各行の最新情報で確認するのが確実です。手数料は改定されることがあり、実際に2020年前後に多くの銀行で新設されて以降、その後も見直しが行われています。
主要行の窓口での硬貨取扱手数料(入金)の目安をまとめると、次のとおりです。
| 金融機関 | 無料の枚数 | それを超えて500枚まで | 501〜1,000枚 |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 100枚まで | 550円 | 1,100円 |
| 三井住友銀行 | 300枚まで | 550円 | 1,100円 |
| みずほ銀行 | 100枚まで | 550円 | 1,320円 |
| りそな銀行 | 1日100枚まで(1日1回のみ) | 660円 | 1,320円 |
※りそな銀行は「1〜500枚:660円」という料金体系ですが、1日1回に限り100枚までは無料になる仕組みです。他行の「〇枚まで常に無料」という単純な区分とは異なるため、利用する際は最新の条件を確認してください。
窓口以外の選択肢: 両替機
銀行によっては、窓口の担当者を介さずに利用できる「両替機」を設置しているところもあります。多くの場合、少量(10枚程度まで)であれば、その銀行のキャッシュカードを使うことで無料になる設定になっており、窓口に並ばずに少額の両替を済ませたい場合の選択肢になります。ただし、両替機は取り扱える枚数に上限があり、大量の硬貨には対応していないのが一般的です。
手数料より損をしやすいのは"額面で流すこと"
窓口での手数料そのものより、価値があるかもしれない硬貨をそのまま額面どおりに処理してしまうことの方が、結果的に大きな損につながることがあります。手数料の金額だけを気にして急いで処理する前に、価値の有無を確認しておく方が安心です。(価値の調べ方や確認すべきポイントは、「古い硬貨は交換できる?」の記事で詳しく解説しています)。
古い硬貨は銀行のATMで扱える?
ATMで扱いにくい理由
ATMは紙幣に比べて硬貨の識別・処理に制限があることが多く、対応できる枚数に上限が設けられているのが一般的です。例えば三菱UFJ銀行のATMでは、紙幣は幅広い時間帯で利用できる一方、硬貨の取り扱いは平日8:45〜18:00に限定されており、休日や夜間は硬貨の預け入れ自体ができません。このように、紙幣と硬貨で対応時間が分かれている金融機関がある点は見落とされがちです。コンビニに設置されているATM(イーネットATM、セブン銀行ATMなど)では、そもそも硬貨の取り扱いができない場合もあります。
窓口の方が向くケース
枚数が多い場合、記念硬貨や古そうな硬貨で判断に迷う場合は、ATMより窓口で相談した方が確実です。ATMは機械的に枚数と金額を処理するだけで、硬貨の種類や価値を判断してくれるわけではありません。
銀行の窓口に持ち込むときに知っておきたいこと
平日の窓口対応が基本
銀行の窓口は平日の日中のみ営業しているのが一般的です。土日や祝日に硬貨を持ち込みたい場合は、窓口ではなくATMでの対応可否を事前に確認しておく必要があります。
大量に持ち込む場合は事前相談がおすすめ
明確なルールがあるわけではありませんが、非常に大量の硬貨を持ち込む場合は、混雑や処理時間の関係で、事前に窓口へ相談しておくとスムーズに進みやすくなります。
窓口で「対応できない」と言われることもある
硬貨の種類や状態、口座の有無によっては、窓口で対応してもらえないこともあります。これは価値がないという意味ではなく、単にその銀行の通常業務の範囲外だったというだけです。
銀行の窓口を利用するときの具体的な流れ
事前に硬貨を種類別に分けておく
窓口では、硬貨の種類ごとに枚数を数えて手数料を計算します。あらかじめ同じ金種ごとにまとめておくと、窓口での確認作業がスムーズに進みます。
少量なら予約なしで対応してもらえることが多い
数十枚程度であれば、多くの銀行で予約なしその場で対応してもらえます。数百枚を超えるような大量の場合は、前述のとおり事前に窓口へ相談しておく方が安心です。
口座の有無を伝えておくとスムーズ
その銀行に口座があるかどうかで、無料になる枚数や手数料が変わることがあります。窓口で聞かれる前に、口座の有無と、入金・両替のどちらを希望するかを伝えておくと手続きが早く進みます。
銀行では判断できないこと
銀行は価値を判定する場所ではない
銀行は貨幣を額面どおりに扱う場所であり、古い硬貨や記念硬貨にコレクター需要があるかどうかを判断する場所ではありません。窓口で額面以上の金額を提示されることはなく、あくまで額面での処理になります。
額面処理してしまうと取り返せない
一度窓口で額面どおりに入金・両替してしまうと、後から価値に気づいても取り戻すことはできません。判断に迷う硬貨がある場合は、銀行に持ち込む前に価値を確認しておくことをおすすめします。
銀行の手数料は今後も変わる可能性がある
硬貨の取扱手数料は、一度導入されたら固定というわけではなく、その後も見直されています。例えばみずほ銀行では、2020年4月に大量硬貨取扱手数料を新設した後、2025年7月にも窓口両替・金種指定払戻の手数料を改定しており、口座を持っていない場合の手数料が550円から770円に、11〜500枚の手数料が550円から990円に、それぞれ引き上げられています。
こうした値上げの背景には、現金の取り扱いにかかる保管・輸送・人件費などのコストが増えている一方、金融機関の収益環境が厳しくなっていることがあります。今後も硬貨の取扱手数料が見直される可能性はあるため、「以前は無料だった」という情報をそのまま信じず、持ち込む前に最新の手数料を確認しておくことをおすすめします。
よくある質問
両替と入金、結局どちらが得ですか?
同じ枚数でも、両替(金種変更)と入金とで手数料の体系が異なる銀行があります。口座を持っている場合は、入金の方が無料の範囲が広いことが多いため、その場で現金として受け取る必要がなければ、入金の方が手数料を抑えやすい傾向があります。
土日に銀行で硬貨を交換できますか?
窓口は平日のみの対応が基本です。土日に利用したい場合は、ATMで硬貨の取り扱いができるかどうかを事前に確認してください。
銀行で断られたらどうすればいいですか?
銀行の対象外と判断された場合は、まず何の硬貨か種類を確認し、価値がありそうであれば専門的な見積もりを検討するという順番がおすすめです。
記念硬貨も窓口の手数料の対象になりますか?
金融機関によっては、記念硬貨も通常の硬貨と同様に手数料の算定対象になります。額面以上の価値が付いている記念硬貨を、手数料を払ってまで額面処理してしまうのはもったいない場合があります。
両替機でも硬貨をまとめて扱えますか?
銀行によって対応は異なりますが、窓口ではなく両替機を使う場合、キャッシュカードでの少量利用は無料になることが多い一方、大量の硬貨には対応していないのが一般的です。まとまった枚数がある場合は、両替機ではなく窓口を利用することになります。
なぜ銀行は硬貨の取り扱いに手数料を取るようになったのですか?
硬貨は紙幣に比べて保管や運搬、計算にかかる手間やコストが大きく、金融機関にとって長年赤字気味のサービスだったとされています。低金利が続くなかで金融機関の収益環境が厳しくなったこともあり、2020年前後から手数料を新設する銀行が相次ぎました。無料で何枚でも引き受けてもらえた時代とは状況が変わっている、と理解しておくとよいでしょう。
まとめ
古い硬貨を銀行に持ち込む場合、「交換」「両替」「入金」のどれに当たるかで手数料の扱いが変わり、口座の有無によっても無料枠が異なります。窓口は平日中心の対応で、ATMも硬貨の取り扱いに制限があることが多いため、事前に条件を確認しておくとスムーズです。また、銀行はあくまで額面どおりに処理する場所であり、価値を判定してはくれません。
手数料は各行とも見直しが続いており、今後さらに引き上げられる可能性もあります。「銀行に持っていけば無料でなんとかなる」という前提で動くより、まず自分の手元にある硬貨がどんな種類なのか、額面以上の価値がありそうかを確認したうえで、交換するか、それとも売却するかを判断する方が、結果的に手間も費用も抑えやすくなります。
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