踏まれて曲がってしまった硬貨や、火事で焼けてしまった硬貨を、手元に持っていませんか。
捨ててしまうのは気が引けますし、どこに持ち込めばよいのか分からず、そのままにしていないでしょうか。こうした損傷した硬貨は、日本銀行で新しい貨幣に交換(引換え)できる場合があります。
この記事では、日本銀行の公式ページをもとに、引換えの基準、手数料、予約方法、持ち込む前の準備をまとめます。
・日本銀行は、磨損その他の事由により流通に不適当となった貨幣の引換えを行っています。
・貨幣の引換基準は、「模様の認識ができること」が前提です。金貨以外は量目の2分の1を超えれば額面の全額で引き換えます。
・手数料はかかりません。郵送では受け付けておらず、事前の予約をお願いされています。
変形・損傷した硬貨は日本銀行で引き換えられます
日本銀行は、損傷現金の引換えを行っています。引換えの対象となる貨幣は、次のとおりです。
磨損その他の事由により流通に不適当となった貨幣
出典:日本銀行「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」
日本銀行の公式ページ「教えて!にちぎん」には、次のような説明もあります。
- 損傷した貨幣は、日本銀行の本店または支店に持ち込めば、法令に定める基準に基づき引換えを行います
- 溶けた貨幣についても、模様が識別できるなど一定の条件を満たせば、新しい貨幣に引き換えることができます
なお、日本銀行は両替業務は行っていません。損傷していない貨幣の両替は、お近くの金融機関に相談する必要があります。
引換えの基準
日本銀行は、次の基準に従って貨幣の引換えを行います。基準を満たさないものは失効となります。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 前提 | 模様の認識ができる貨幣 |
| 金貨 | 量目の98%以上のものについて、額面価格の全額で引き換える |
| 金貨以外の貨幣 | 量目の2分の1を超えるものについて、額面価格の全額で引き換える |
| 災害などで量目が減少した貨幣 | 模様の認識ができることを条件に、額面価格の全額で引き換える |
出典:日本銀行「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」
「量目」は貨幣の重さを指します。基準は、模様が分かるかどうかと、重さがどれだけ残っているかで決まります。
どこで引き換えられる?
引換えは、日本銀行の本店とすべての支店で受け付けています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受付時間 | 月〜金 9:00〜15:00(国民の祝日に関する法律に規定する休日と12月31日〜1月3日を除く) |
| 受付場所 | 日本銀行の本店・支店 |
| 受け付けていない場所 | 電算センター(東京都府中市)、発券センター(埼玉県戸田市)、国内事務所、海外駐在員事務所 |
| 郵送 | 受け付けていない |
出典:日本銀行「損傷したお金の引換え窓口」
日本銀行青森支店のページには、お金の交換は市中の金融機関(銀行や信用金庫等)で対応できる場合があると書かれています。遠方にお住まいの方やお急ぎでない方は、最寄りの金融機関に問い合わせるよう案内されています。
銀行や郵便局での硬貨の扱いについては、次の記事でまとめています。
予約の方法
日本銀行は、引換えの可否を法令等に定める基準に照らして判断するため、相応の時間がかかります。そのため、事前の予約をお願いしています。
- 予約は、日本銀行のホームページや電話で、来店する本店・支店に申し込みます
- 引換枚数が銀行券・貨幣を合わせて20枚以下の場合は、日本銀行の引換受付サイトから予約できます
- 20枚を超える場合は、来店する本店・支店に連絡します
- 引換受付サイトでは、毎月21日(土日祝日の場合は翌営業日)の午前10時以降に翌月の予約を受け付けます
- 引換受付サイトからの予約は、各月1回です
- 予約には、メールアドレスと利用者IDの登録が必要です
日本銀行は、予約がないと当日中に引換えを行えない場合があるとも案内しています。
持ち込む前に整理しておくこと
日本銀行は、貨幣を持ち込む際に、次の整理をお願いしています。
| 状態 | 持ち込む前の準備 |
|---|---|
| 汚れのひどい貨幣 | 水洗いのうえ、乾燥させる |
| 金属片・プラスチック等が付着している貨幣 | 付着物・混合物を、できる限り取り除く |
| 焼損等で破砕のおそれがある貨幣 | 箱に入れるなど、できる限り原形を崩さずに持ち込む(粉々な状態になると、失効と判断することがある) |
出典:日本銀行「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」
引換えの流れ
日本銀行の引換えは、次の流れで進みます。
- 窓口に備え付けの「引換依頼書」に必要事項を記入し、損傷現金を添えて提出する
- 損傷に至った経緯などを聞かれる
- 引換依頼書と損傷現金を受け付けた後、番号札を受け取る
- 日本銀行が引換基準に基づいて、引換代り金の金額を決める
- 番号札を提出し、氏名を名乗って、引換代り金を受け取る
- その場で金額を確認する
引換代り金は現金で、最少枚数で支払われます。
手数料はかかる?
日本銀行は、手数料を徴収することなく、損傷現金の引換えを行います。
ただし、日本銀行青森支店のページには、一度交換したお金は返すことができないと書かれています。
価値のある貨幣は、引き換える前に確認を
日本銀行の引換えは、額面価格を基準に行われます。
額面を上回る価値がある貨幣(記念硬貨など)を持っている場合は、引換えの前に、その貨幣の価値を確認しておきたいところです。一度交換したお金は返すことができないためです。
古銭や記念硬貨の価値を知りたいときは、買取業者の査定や、鑑定機関の鑑定書が手がかりになります。
偽造・変造の疑いがある場合
日本銀行に、偽造または変造されている疑いがある現金を持ち込む場合は、「鑑定申込書」に記入して提出します。入手経路などを聞かれることがあります。
真正な現金と鑑定された損傷現金は、引換依頼に応じてもらえます。偽造または変造されたものと鑑定されたものは返却され、所轄の警察署に届け出るよう案内されています。
貨幣を意図的に損傷することは禁じられています
貨幣損傷等取締法は、次のように定めています。
貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。
違反した者は、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処すると規定されています。
まとめ
- 変形・損傷した硬貨は、日本銀行の本店・支店で引換えを受け付けています
- 金貨以外の貨幣は、模様の認識ができ、量目の2分の1を超えれば、額面の全額で引き換えられます
- 手数料はかかりません。郵送では受け付けておらず、事前の予約をお願いされています
- 20枚以下なら、日本銀行の引換受付サイトで予約できます
- 額面以上の価値がある貨幣は、交換する前に価値を確認したいところです
よくある質問
Q. 曲がった硬貨は、銀行で交換してもらえますか?
A. 日本銀行青森支店のページには、お金の交換は市中の金融機関(銀行や信用金庫等)で対応できる場合があると書かれています。対応できるかどうかは金融機関ごとに異なるため、最寄りの金融機関に問い合わせるよう案内されています。
Q. 手数料はいくらですか?
A. 日本銀行は、手数料を徴収することなく、損傷現金の引換えを行います。
Q. 溶けてしまった硬貨でも引き換えられますか?
A. 日本銀行は、溶けた貨幣についても、模様が識別できるなど一定の条件を満たせば、新しい貨幣に引き換えることができると説明しています。
Q. 郵送で引き換えてもらえますか?
A. 日本銀行では、損傷現金の引換えを郵送では受け付けていません。
Q. 予約なしで行っても大丈夫ですか?
A. 日本銀行は、事前の予約をお願いしています。予約がないと、当日中に引換えを行えない場合があります。
この記事のデータソース
調査日:2026年10月16日
- 日本銀行「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」
- 日本銀行「損傷したお金の引換え窓口」
- 日本銀行「教えて!にちぎん」(傷んだお金、燃えて灰になってしまったお札や溶けてしまった硬貨は、どこに持ち込めばいいですか?)
- 日本銀行 引換受付サイト
- 日本銀行青森支店「損傷したお金の取り扱いについて」
- e-Gov法令検索:貨幣損傷等取締法