牡丹の花とともに古い丁銀が描かれた千円銀貨、これは「地方自治法施行60周年記念貨幣」という、47都道府県それぞれをテーマにしたシリーズの1枚で、島根県分として平成20年(2008年)に発行されたものです。額面は1,000円ですが、実勢相場は8,000円前後〜1万4,000円台で取引されています。この記事では、島根県分の千円銀貨の仕様や価格の内訳、偽物の見分け方、そして少しでも高く売るためのポイントを解説します。
地方自治60周年記念千円銀貨(島根県)とは?
地方自治法施行60周年を記念する貨幣シリーズは、財務省・造幣局が2008年〜2016年の間に47都道府県それぞれをテーマとして順次発行したものです。島根県分は北海道・京都府と並びシリーズの最初期、平成20年(2008年)銘として世に出ており、記念のテーマには「石見銀山遺跡の世界遺産登録」が掲げられています。
申込(販売申込)期間は平成20年10月14日〜11月4日で、頒布価格は6,000円のプルーフ貨幣セットとして販売されました。
基本スペック(1,000円銀貨幣)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行年 | 平成20年(2008年) |
| 発行枚数 | 10万枚 |
| 額面 | 1,000円 |
| 素材 | 純銀 |
| 量目(重量) | 31.1g |
| 直径 | 40.0mm |
| 縁(エッジ) | 斜めギザ |
| 仕上げ | プルーフ仕上げ |
表面には島根県ゆかりの「御取納丁銀」(石見銀山で産出された銀を用いた江戸時代の銀塊)と、島根県の県花である牡丹が描かれています。

裏面は47都道府県共通のデザインで、「地方自治法施行60周年記念」の文字と雪月花の図柄、「千円」の文字が配置されています。

(出典:財務省 記念貨幣一覧 https://www.mof.go.jp/policy/currency/coin/commemorative_coin/kinenkaitiran.pdf 、造幣局 記念貨幣データ一覧 https://www.mint.go.jp/coin/data/data_kinen_index.html )
価格の見方
1. 額面(1,000円)
この銀貨が持つ法律上の価値はあくまで額面の1,000円で、銀行窓口での取り扱いもこの金額が上限です。
2. 素材価値(銀の地金としての価値)
31.1gの純銀を使用しているため、銀相場に応じた地金価値があります。古銭場のデータでは、執筆時点の材質価値は約10,804円と算出されています。田中貴金属の店頭買取価格(1gあたり378.40円、2026年8月25日公表)で計算すると、31.1g×378.40円=約1万1,769円となります。(銀相場は日々変動するため、閲覧時点の価格によって前後します)
額面の1,000円に対し、素材価値だけでも1万円前後という点は、この銀貨の価値を考えるうえでの基本になります。
3. 希少性・プレミア価値
発行枚数は10万枚で、シリーズの中では標準的な発行数です。また47都道府県分をまとめて集められる「コンプリート型」のシリーズであるため、単体で見たときの希少性プレミアはさほど高くありません。実勢相場が素材価値に近い水準に収まっているのはこのためです。
現在の実勢相場
Yahoo!オークションで直近の落札実績(造幣局純正のプルーフ貨幣セット・単品)を個別に確認したところ、実勢レンジはおおむね7,750円〜2万1,000円で、中心帯は9,000円台〜1万4,000円台程度でした。切手付きの上位セット(Bセット・Cセットなど)は1万3,000円台〜1万4,000円台まで値がつくこともあります。
※他県とのセット品や複数枚のまとめ売りは、単価が把握できないためこの集計から除外しています。
偽物を見分けるポイント
このシリーズは47種類あり流通量も一定数あるため大規模な偽造報告は多くありませんが、購入・売却時には次の5点を確認しましょう。
- 重量をチェックする:正規品の目方は31.1gです。1g以上の差がある場合は素材の違いが疑われます。
- 磁石で確かめる:純銀は磁性を持たないため磁石に反応しません。反応する場合は別素材の偽物である可能性が高いです。
- 鏡面光沢の有無を見る:プルーフ仕上げ特有の鏡のような輝きが正規品の目印です。曇りや光沢不足があれば劣化か模造品を疑いましょう。
- 斜めギザの状態を確認する:側面のギザ加工が均一かどうかをチェックしてください。
- 専用ケースの有無を確認する:造幣局のプルーフ貨幣セットとして頒布された品なので、ケースなしの単体流通品は来歴確認をおすすめします。
自分での判定が難しければ、無理をせず古銭・貴金属の専門鑑定業者に相談することをおすすめします。
高く売る方法
銀行での交換は避ける
額面どおり1,000円としてしか扱われない銀行での両替・預け入れは、素材価値だけで1万円前後になるこの銀貨には不向きです。売却するなら古銭・記念貨幣の専門買取業者に相談しましょう。
売却先による違い
| 売却先 | 想定される評価額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 銀行での両替・預け入れ | 1,000円(額面のみ) | 貨幣としての価値しか評価されない |
| 貴金属店・質店(一般) | 素材価値ベース(1万円前後) | 銀の地金価値としては評価されるが、記念貨幣としての価値は評価されにくい |
| 古銭・記念貨幣専門の買取業者 | 実勢相場に近い評価(8,000円〜1万4,000円台) | 状態・付属品(ケース・切手付きセットかどうか)まで含めて評価してもらえる |
47都道府県分をコンプリートするタイプのシリーズなので、複数県分をまとめて査定に出すと効率的な場合があります。造幣局純正のケースやBセット・Cセットの付属品(記念切手など)が揃っていればその旨を伝え、実績のある古銭・記念貨幣専門業者に依頼しましょう。見積もりは複数社で比較するのがおすすめです。和歌山県版や大阪府版など、同シリーズの他県版もあわせてご覧ください。