平成31年(2019年)に発行された「東京2020オリンピック競技大会記念千円銀貨幣『陸上競技』(第二次発行分)」、このコインは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を記念するシリーズのうち、第二次発行分として登場した千円銀貨で、陸上競技をデザインした彩色プルーフ貨幣です。造幣局が事前申込によって直接販売した、額面を大きく上回るプレミアム型の銀貨です。
今回はそんな2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)とは?
東京2020オリンピック競技大会記念千円銀貨幣の第二次発行分は、陸上競技・バドミントン・野球ソフトボールの3種類が発行されており、この記事で扱う「陸上競技」はそのうちの1枚です(造幣局公式資料)。この3種類は1万円金貨シリーズのような強制セットではなく、それぞれ個別に販売されました。
申込受付期間は平成31年1月31日から2月20日(消印有効)でした。販売数量を上回る申込みがあった場合は抽選となる仕組みで、当選は1人1個限り、1住所あたり合計2個までという制限が設けられていました(造幣局公式資料)。なお、この銀貨は金融機関等の窓口での引換えは行われません。
デザインは、表面に陸上競技の選手の躍動感を写実的に描いた図柄、

裏面には東京2020オリンピック競技大会エンブレムとソメイヨシノ・イチョウの葉があしらわれています。裏面の図柄はシリーズ全種で共通です。

彩色には白・黒・青・青紫・赤・黄・緑の7色が使われており、競技のユニフォームや器具の配色を再現しています。プルーフ仕上げの銀貨は特製ケースに収納されており、立てた状態でも飾れる仕様になっています。
発行枚数は100,000個、販売価格は9,500円(消費税・送料込)でした。銀貨の額面は1,000円のため、発行時点ですでに額面の9倍以上の価格が設定されていたことになります。
側面には斜めギザが施されているほか、角度を変えると図柄や文字が見え隠れする潜像加工が施されている点も、造幣局公式資料で確認できます。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の額面は1,000円です。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。素材の価格の計算式は下記のように計算します。
素材価値(円) = 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)は、純銀で重さ31.1g、直径40.0mmです。古銭場のデータ(記事執筆時点)では、この銀貨の素材価格は9,827.15円と算出されています。
つまり、額面1,000円に対して、素材だけで額面の9倍以上の価値があることになります。銀相場は日々変動するため、査定を受けるタイミングによって金額は前後します。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、現存枚数、人気需要、保存状態、歴史的価値などがあります。これを踏まえた上で、今回の2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の発行枚数、人気需要、歴史的価値を見ていきます。
※上記3つ以外の2つの要素(現存枚数、保存状態)は現存枚数は把握不可能、保存状態は1枚ずつ違うため推測になってしまいます。なのでここでは説明を控えさせて頂きます。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の発行枚数
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の発行枚数は100,000個です(造幣局公式資料)。このうち、コンプリートセット用・海外販売用・展示用等として一部が控除されており、実際に個人へ販売された数量はこれをやや下回ります。
同時に発行された1万円金貨シリーズ(各次数4万セット前後)と比べると発行枚数自体は多く、申込みが販売数量を上回った場合のみ抽選となる仕組みでした。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の人気需要
人気需要に関しては、ヤフオクなどのオークションサイトを参考に取引価格を確認するのがおすすめです。
過去180日間のYahoo!オークション終了済み取引のうち、1枚単体の出品に絞って確認したところ、下記のような落札結果がありました。
| 落札日 | 落札価格 | 状態 |
|---|---|---|
| 8月2日 | 8,500円 | 未使用 |
| 7月31日 | 9,080円 | 通常品 |
| 7月26日 | 8,600円 | 美品 |
| 6月22日 | 12,500円 | 第三者鑑定済み(PCGS PR70DCAM) |
| 5月17日 | 9,900円 | 証明書付 |
| 3月9日 | 14,861円 | 未使用・証明書外箱付き |
※Yahoo!オークションの終了済み取引のうち、1枚単体の出品のみ(複数枚・複数デザインのまとめ売りを除く)を参考に作成。落札価格は商品の状態や落札日、銀相場の変動によって異なります。
単体・鑑定なし品はおおむね8,500円〜15,000円程度の範囲で取引されており、直近(8月)の落札は8,500円〜9,300円台と、発行時の販売価格9,500円に近い水準まで落ち着いてきています。第三者鑑定機関による評価済みの高グレード品は、これより高い価格で取引される傾向があります。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の歴史的価値
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を記念するシリーズの中で、第二次発行分として登場した千円銀貨の1枚です。
造幣局が事前申込を受け付ける形で頒布され、発行時の販売価格は9,500円でした(造幣局公式資料)。額面1,000円に対して、発行された時点ですでに9倍以上の価格が設定されていたプレミアム型の貨幣だったことが分かります。
ただし、この銀貨は発行からまだ10年に満たない記念貨幣であり、江戸時代の大判・小判のような数百年単位の歴史的価値が確立しているわけではありません。また東京オリンピック・パラリンピック関連の記念貨幣は複数回・複数種類にわたって発行されているため、シリーズの1枚だからといって将来的に高い価値が付き続けると断定することはできません。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の偽物を見分けるポイント
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の本物と偽物を見分けるポイントは5つあります。
公式の重量と直径を確認する
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)は、公式な重量が31.1g、直径が40.0mmです。また、素材には純銀が使用されています。精密な電子はかりとノギスで測り、重量や直径が公式の数値から1g以上大きく外れている場合は、偽物の可能性があります。
ただし、造幣局のケースに入っている銀貨は、ケースを含めた重量では判定できません。確認のために無理にケースから取り出すと、銀貨に傷が付き価値を下げるおそれがあるため注意してください。
図柄の彫りの深さと彩色を確認する
本物の表面には陸上競技の選手の姿が精密に彫り込まれ、ユニフォームや器具の配色に合わせた7色の彩色が施されています。偽物では、図柄の輪郭がぼやけていたり彫りが浅く平坦だったりするほか、彩色ににじみ・色落ち・剥がれが見られる場合があります。ルーペなどを使って確認し、図柄の細部や彩色の境目に不自然な点がないかを見ることが重要です。
側面の斜めギザを確認する
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)の側面には、斜めギザが採用されています。偽物では、ギザの角度や間隔が不均一だったり、側面がツルツルしていたり、直角のギザになっていたりする場合があります。
潜像加工を確認する
本物にはコインを傾けると角度によって特定の図柄や文字が見え隠れする潜像加工が施されています。コインを斜めに傾けながら確認し、この効果がはっきり見えない場合は偽物の可能性があります。ただし照明環境によって見えづらいこともあるため、他の項目とあわせて確認してください。
磁石への反応を確認する
純銀は、一般的な磁石に強く引き寄せられる金属ではありません。そのため、銀貨が磁石に明確にくっつく場合は、鉄やニッケルなどを使用した偽物の可能性があります。1964年の東京オリンピック記念千円銀貨では偽造品の存在が確認されており、今回のシリーズでも出所不明の格安出品には注意が必要です。
ただし、磁石に付かなければ本物ということではないため、他の項目とあわせて総合的に確認してください。
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)を高く売る方法とは?
2020年東京オリンピック競技大会記念千円銀貨(2次陸上)は銀行に持ち込むと額面通りの扱いしか受けられませんが、下表の通り発行時価格・素材価値・買取相場はいずれも額面を大きく上回ります。売却する際は銀行ではなく、古銭店や記念貨幣を扱う買取店で査定を受けることをおすすめします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1,000円 |
| 発行時の販売価格 | 9,500円 |
| 素材 | 純銀 |
| 素材価値(現在) | 約9,827円 |
| オークション実勢価格帯 | 約8,500円〜15,000円前後(1枚単体、鑑定なし品) |
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