令和元年(2019年)に発行された「2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨幣(第三次発行分)」、このコインは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を記念するシリーズの第三次発行分として登場した1万円金貨で、「勝利」「栄光」「心技体」という3つの異なる図柄の金貨が1セットとして発行されました。造幣局が事前申込・抽選によって直接販売した、額面を大きく上回るプレミアム型の金貨です。
今回はそんな2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)とは?
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会記念貨幣の第三次発行分にあたる1万円金貨幣は、年銘令和元年で発行され、申込受付期間は令和元年11月1日から11月21日でした(造幣局公式資料)。
デザインは3種類あり、「勝利」は相撲の祖とされる野見宿禰(のみのすくね)の像、「栄光」はオリンピックの炎を掲げるギリシャの女神像、「心技体」は「心技体」の文字を中心に配した図柄です。

3枚とも裏面には東京2020オリンピック競技大会のエンブレムが共通して描かれています。

この3種類は常にセットとして扱われており、造幣局の公式資料では「勝利」「栄光」「心技体」の3枚組で1件の発行として記録されています。発行枚数は3枚組セットで4万セット、販売価格はセット全体で122,223円でした。金貨1枚の額面は1万円のため、3枚分の額面合計は3万円にあたります。
加えて、令和2年には特別記念貨幣セットの一部として1,000セットが追加発行されており、申込受付期間は令和2年10月21日から11月10日でした(造幣局公式資料)。
この金貨は収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣で、側面には斜めギザが採用されています。
なお、同じ第三次発行分では千円銀貨幣(体操・柔道の2種類)や100円クラッド貨幣(アーチェリー・カヌー・自転車競技の3種類)も発行されており、裏面にはいずれも東京2020オリンピック競技大会のエンブレムが共通して描かれています。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)は、金貨1枚あたりの額面が1万円です。「勝利」「栄光」「心技体」の3枚セットで考えると、額面の合計は3万円になります。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。素材の価格の計算式は下記のように計算します。
素材価値(円)= 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)は、1枚あたり純金で重さ15.6g、直径26.0mmです。古銭場のデータ(記事執筆時点)では、この金貨1枚あたりの素材価格は330,619.08円と算出されています。これを逆算すると、金の価格はおよそ21,193.5円/gという計算になります。
15.6g(重さ)×100%(含有率)×21,193.5円/g(金属価格)=330,619.08円
つまり、金貨1枚の額面1万円に対して、素材だけで額面の33倍以上の価値があることになります。3枚セットであれば、素材価値の合計はさらに大きくなります。金相場は日々変動するため、査定を受けるタイミングによって金額は前後します。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、現存枚数、人気需要、保存状態、歴史的価値などがあります。
これを踏まえた上で、今回の2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の発行枚数、人気需要、歴史的価値を見ていきます。
※上記3つ以外の2つの要素(現存枚数、保存状態)は現存枚数は把握不可能、保存状態は1枚ずつ違うため推測になってしまいます。なのでここでは説明を控えさせて頂きます。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の発行枚数
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の発行枚数は、当初発行分(令和元年銘)が3枚組セットで4万セットです。これに加えて、令和2年には特別記念貨幣セットの一部として1,000セットが追加発行されています。3種類の図柄が常にセットで頒布されてきた点も、この金貨の特徴です。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の人気需要
人気需要に関しては、通常であればヤフオクなどのオークションサイトを参考に取引価格を確認するのがおすすめです。ただし今回、「勝利」「栄光」「心技体」の3枚セットに絞って過去180日間のYahoo!オークション終了済み取引を確認したところ、この図柄に一致する落札事例は見つかりませんでした。同じ東京2020オリンピック記念1万円金貨でも、第一次発行分(流鏑馬と心技体)や第四次発行分(聖火ランナーと国立競技場と心技体)は取引事例が見られるため、発行枚数がより少ない第三次発行分は市場に出回る数自体が少ない可能性があります。
そのため、この記事では実際の落札価格帯の紹介は控え、公式に確認できている発行枚数や販売価格、素材価値をもとに価値を判断する形とします。売却を検討される際は、古銭店や買取店に直接査定を依頼し、その時点での市場価格を確認することをおすすめします。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の歴史的価値
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を記念するシリーズの中で、第三次発行分として登場した1万円金貨です。
造幣局に事前に申し込んだ希望者の中から抽選で購入者が決定される仕組みで頒布され、発行時の販売価格は3枚セットで122,223円でした(造幣局公式資料)。3枚分の額面合計3万円に対して、発行された時点ですでに4倍前後の価格が設定されていたプレミアム型の貨幣だったことが分かります。
ただし、この金貨は発行からまだ10年に満たない記念貨幣であり、江戸時代の大判・小判のような数百年単位の歴史的価値が確立しているわけではありません。また東京オリンピック・パラリンピック関連の記念貨幣は複数回にわたって発行されているため、シリーズの1枚だからといって将来的に高い価値が付き続けると断定することはできません。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の偽物を見分けるポイント
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の本物と偽物を見分けるポイントは5つあります。
公式の重量と直径を確認する
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)は、1枚あたりの公式な重量が15.6g、直径が26.0mmです。また、素材には純金が使用されています。精密な電子はかりとノギスで測り、重量や直径が公式の数値から大きく外れている場合は、偽物の可能性があります。
ただし、造幣局のケースに入っている金貨は、ケースを含めた重量では判定できません。確認のために無理にケースから取り出すと、金貨に傷や指紋が付き、価値を下げるおそれがあるため注意してください。また、タングステンなど金に近い比重の金属を使い、本物に近い重量へ調整した偽物も考えられるため、ほかの特徴と合わせて確認する必要があります。
図柄の彫りの深さを確認する
本物の表面には、「勝利」の野見宿禰像、「栄光」のギリシャの女神像、「心技体」の文字が、それぞれ精密に彫り込まれています。偽物では、像や文字の輪郭がぼやけていたり、彫りが浅く平坦な印象になっていたりする場合があります。
ルーペなどを使って確認し、図柄の細部や文字の太さに不自然な点がないかを見ることが重要です。
側面の斜めギザを確認する
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)の側面には、斜めギザが採用されています。偽物では、ギザの角度や間隔が不均一だったり、側面に継ぎ目が見られたりする場合があります。側面がツルツルしている、あるいはギザが真っ直ぐ入っているものは、この時点で偽物と判断できます。
プルーフ仕上げのコントラストを確認する
本物は収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣で、鏡面仕上げの地の部分と、艶消し(フロスト)仕上げの図柄部分とのコントラストがはっきりと現れます。偽物では、このコントラストが甘く、全体的に均一な光沢になっていたり、図柄部分の質感が本物と異なっていたりする場合があります。
ただし、経年劣化や保管状態によって本物でも光沢が変化することがあるため、この点だけで断定することはできません。
磁石への反応を確認する
純金は、一般的な磁石に強く引き寄せられる金属ではありません。そのため、金貨が磁石に明確にくっつく場合は、鉄やニッケルなどを使用した偽物の可能性があります。
ただし、磁石に付かなければ本物ということではありません。タングステンなど、金に近い比重を持ちながら磁石にほとんど反応しない金属を使った偽物も考えられるため、他の項目とあわせて確認してください。また、3枚セットの中の1枚だけが単独で取引されている場合は、正規セットから切り離されたものである可能性があるため、出所や保管状況もあわせて確認するとよいでしょう。
2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)を高く売る方法とは?
ここで、こうした記念硬貨を売りたい方へ注意点があります。それは、絶対に銀行で交換してもらわないこと。この2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)は銀行に持っていくと、1枚あたり1万円と交換されます。
理由は、2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)は法定通貨(額面1万円の貨幣)だからです。そのため、銀行では額面どおり1枚1万円として扱われます。
しかし、重要なのはここからです。
この金貨は造幣局への事前申込・抽選という形で頒布されたプレミアム型の貨幣で、発行時の販売価格は3枚セットで122,223円でした。3枚分の額面合計3万円に対して、発行された時点ですでに4倍前後の価格が付いていたということになります。また素材の価格は純金100%で作られています。ということは金価格の推移によって価格は大きく変わるということです。
再度整理すると、2020年東京オリンピック競技大会記念1万円金貨(3次)は、
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1枚1万円(3枚セットで3万円) |
| 発行時の販売価格 | 122,223円(3枚セット) |
| 素材 | 純金 |
| 素材価値(現在、1枚あたり) | 約330,619円 |
つまり、額面よりも素材や希少性の価格の方が市場価格は大きいことがここで分かります。
なので、もし売却を考えているなら、銀行へ持ち込むのは非常にもったいないです。古銭店や記念貨幣を扱う買取店で査定を受けるほうが高く売れる可能性があります。特にこの第三次発行分は市場に出回る数自体が少ないとみられるため、複数の買取店で査定額を比較することをおすすめします。
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