東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)、この銀貨は、東日本大震災からの復興事業の財源確保を目的として発行された「個人向け復興応援国債」の保有者への贈呈、および造幣局による一般向け抽選販売という、2つの経路で頒布された記念貨幣です。第1次から第4次まで4回に分けて発行されたシリーズのうち、今回解説するのはシリーズ最終回にあたる「第4次発行分」です。
今回はそんな東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)とは?
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)は、平成27年(2015年)銘で発行された記念貨幣です。申込受付期間は平成28年(2016年)1月19日から2月17日でした。
この記念貨幣は、1万円金貨幣と千円銀貨幣の2貨種で構成されています。
- 東日本大震災復興事業記念1万円金貨幣(第4次発行分)
- 東日本大震災復興事業記念千円銀貨幣(第4次発行分)
千円銀貨幣(4次)のデザインは、表面に「握手する日本列島と桜」があしらわれています。

このデザインは一般公募によって採用された作品です(第1次のみ造幣局によるデザインで、第2次以降は一般公募によって決定されました)。彩色が施されたカラーコインで、純銀(品位100%)・量目31.1g・直径40mmです。
裏面には、震災の津波被害を耐え抜いた「奇跡の一本松」とハト、そして「がんばろう日本」の文字がデザインされています。この裏面デザインは、第1次から第4次まで全ての回で共通です。

なお、同時発行された1万円金貨幣(4次)は、純金・量目15.6g・直径26mmで、表面に「豊かな自然と鳥」が、裏面には銀貨幣と同じ「奇跡の一本松とハト」がデザインされています。1万円金貨幣(4次)は1万枚発行され、販売価格は95,000円でした。
また東日本大震災復興事業記念1万円金貨幣・千円銀貨幣(4次)ともに、収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣です。
財務省の資料によると、この記念貨幣は「個人向け復興応援国債」(第804回債)を発行から3年目の利払日時点で100万円以上保有する方に贈呈される仕組みでした(残高1,000万円ごとに1万円金貨1枚、100万円ごとに千円銀貨1枚)。この贈呈分とは別に、造幣局による一般向けの通信販売(申込多数の場合は抽選)も行われました。単なる寄付金制度ではなく、震災復興を目的とした国債購入への特典として設計されている点が、このシリーズの大きな特徴です。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。つまり、今回の東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の額面は1000円です。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。素材の価格の計算式は下記のように計算します。
素材価値(円)= 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)は純銀(含有率100%)で重さが31.1g、直径は40mmです。古銭場のデータ(記事執筆時点)では、この銀貨の素材価値は10,031.39円と算出されています。これを逆算すると、銀の価格はおよそ322.55円/gという計算になります。
31.1g(重さ)×100%(含有率)×322.55円/g(金属価格)=10,031.30円
つまり、額面1000円に対して、素材だけで額面の10倍の価値があるということが分かります。銀相場は日々変動するため、査定を受けるタイミングによって金額は前後します。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、現存枚数、人気需要、保存状態、歴史的価値などがあります。これを踏まえた上で、今回の東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の発行枚数、人気需要、歴史的価値を見ていきます。
※上記3つ以外の2つの要素(現存枚数、保存状態)は現存枚数は把握不可能、保存状態は1枚ずつ違うため推測になってしまいます。なのでここでは説明を控えさせて頂きます。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の発行枚数
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の発行枚数は4万枚です(造幣局公表データ)。
発行時の販売価格(税込)は9,500円でした。純銀を使用し加工も特殊なため、貨幣の製造等に要する費用が額面価格を上回る「プレミアム型」の記念貨幣であると財務省は説明しています。
なお、このシリーズの千円銀貨幣は全4次で発行枚数が異なり、1次6万枚・2次4万枚・3次4万枚・4次4万枚となっています。4次は2次・3次と並んで標準的な発行枚数です。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の人気需要
人気需要に関しては、ヤフオクなどのオークションサイトを参考にしてもらい、いくらで取引されているのかを確認するのが良いです。
※ただ注意点として、オークションで取引されてる額はその貨幣の平均価格ではないです。その貨幣に傷や汚れがどれだけあるか(保存状態)によって価格が変動しますので注意して見てください。
では、今回の東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)を例に見ていきましょう。
| 落札日 | 落札価格 | 状態 |
|---|---|---|
| 7月26日 | 11,010円 | 未使用 |
| 7月5日 | 12,000円 | 未使用 |
| 6月25日 | 12,000円 | 未使用 |
| 6月4日 | 12,001円 | 未使用 |
※Yahoo!オークションの終了済み取引(単体出品のみ、複数枚まとめ売りを除いたもの)を参考に作成。落札価格は商品の状態や付属品、落札日によって異なります。
上記データのように、単体のプルーフ貨幣セットであればおおよそ1万1千円〜1万2千円前後で取引されている落札実績が多く見られます。発行時の販売価格(9,500円)を上回る水準で安定的に取引されている点が特徴です。
こういうデータも参考にして貨幣取引をすると良いと思います。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の歴史的価値
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)は、2011年の東日本大震災からの復興事業の財源を確保するために発行された個人向け復興応援国債と関連づけられた、シリーズ最終回の記念貨幣です。
造幣局への通信販売分は、申込数が販売予定数量を上回ったため抽選となったことが分かっていますが、千円銀貨幣(4次)単体の具体的な申込数・当選倍率は、財務省・造幣局の公表資料からは確認できませんでした。
ただし、この銀貨は発行から10年ほどが経過した記念貨幣であり、江戸時代の大判・小判のような数百年単位の歴史的価値が確立しているわけではありません。また記念貨幣は過去にも度々発行されており、今回が初めてではないため、記念貨幣だからと言って将来的に高い価値が付き続けると断定することはできません。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の偽物を見分けるポイント
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の本物と偽物を見分けるポイントを紹介します。
重量と直径を確認する
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)の公式な重量は31.1g、直径は40mmです。また、素材には純銀が使用されています。精密な電子はかりとノギスで測り、重量や直径が公式の数値から外れている場合は、偽物の可能性があります。
図柄と彩色の精密さを確認する
表面の握手する日本列島と桜、裏面の奇跡の一本松とハトは、いずれも彫刻が精緻に仕上げられています。図柄の輪郭や、桜の花びらに施された彩色の境界がシャープかどうかをルーペなどで確認しましょう。
偽物では、刻印が浅い、彩色がにじんでいる、色落ちや剥がれが見られるといった特徴が見られる場合があります。
プルーフ仕上げのコントラストを確認する
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)は、収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣です。背景部分が鏡のように磨かれ、図柄部分はつや消し(マット)に仕上げられており、両者のコントラストがはっきりと現れます。鏡面部分にくすみがある、コントラストが甘いといった場合は注意が必要です。
ただし、経年劣化や保管状態によって本物でも光沢が変化することがあるため、この点だけで断定することはできません。
磁石への反応を確認する
純銀は、一般的な磁石に強く引き寄せられる金属ではありません。そのため、銀貨が磁石に明確にくっつく場合は、鉄やニッケルなどを使用した偽物の可能性があります。
ただし、磁石に付かなければ本物ということではありません。銅やタングステンなど、磁石にほとんど反応しない金属を使った偽物も考えられるため、他の項目とあわせて確認してください。
付属品(ケース)を確認する
正規品は造幣局のケースに封入された状態で販売されています。ケースが開封・破損・改ざんされているものは、真贋の確認が難しくなります。ケースにひび割れや欠けがある場合は、査定額が下がる要因にもなるため注意しましょう。
真贋の判定に迷う場合は、古銭買取の専門業者や鑑定士に相談することをおすすめします。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)を高く売る方法とは?
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(4次)は銀行に持ち込むと額面通りの扱いしか受けられませんが、下表の通り発行時価格・素材価値・買取相場はいずれも額面を大きく上回ります。売却する際は銀行ではなく、古銭店や記念貨幣を扱う買取店で査定を受けることをおすすめします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1000円 |
| 発行時の販売価格 | 9,500円 |
| 素材価値 | 約10,031円 |
| オークション実勢価格帯 | 約1万1千円〜1万2千円前後 |
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