東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)、この銀貨は平成27年(2015年)、東日本大震災からの復興事業の財源確保を目的として、個人向け復興応援国債の保有者への贈呈および一般向け通信販売の形で発行された記念貨幣です。第1次から第4次まで4回に分けて発行されたシリーズのうち、今回解説するのは表面デザインが異なる「第2次発行分」です。同時期に発行された1万円金貨幣(2次)とはセットの関係にあり、裏面のデザインは金貨・銀貨とも共通です。
今回はそんな東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)とは?
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)は、平成27年(2015年)に日本政府が発行した記念貨幣です。造幣局公式サイトによると、申込受付期間は平成27年8月7日から8月27日でした。
この記念貨幣は、1万円金貨幣と千円銀貨幣の2貨種で構成されています。
1.東日本大震災復興事業記念1万円金貨幣(第2次発行分) 2.東日本大震災復興事業記念千円銀貨幣(第2次発行分)
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)のデザインは、表面に復興特別区域の日の出と折り鶴があしらわれています(造幣局公式データ)。このデザインは一般公募によって採用された作品で、「希望の未来」への願いが込められています。

裏面には、震災の津波被害を耐え抜いた「奇跡の一本松」とハトがデザインされています。この裏面デザインは、第1次から第4次まで全ての回、また同時発行された1万円金貨幣とも共通です。

なお、同時発行された1万円金貨幣(2次)は、純金で量目15.6g、直径26mmの貨幣です。表面には学校の校舎と鯉のぼりがデザインされており、裏面は千円銀貨幣と同じ「奇跡の一本松とハト」です。1万円金貨幣(2次)は11,000枚発行され、販売価格は95,000円でした。
品位は純銀(品位1000)、量目(重さ)は31.1g、直径は40.0mmです。側面には斜めギザが採用されています。
さらにこの銀貨は、収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣です。図柄部分と背景とのコントラストがはっきりと際立つように仕上げられているのが特徴です。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。つまり、今回の東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の額面は1,000円です。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。素材の価格の計算式は下記のように計算します。
素材価値(円) = 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)は純銀(含有率100%)で重さが31.1g、直径は40.0mmです。古銭場のデータ(2026年8月12日更新時点)では、この銀貨の素材価値は10,427.48円と算出されています。これを逆算すると、銀の価格はおよそ335円/gという計算になります。
31.1g(重さ)×100%(含有率)×約335円/g(金属価格)=10,427円
額面1,000円に対して、素材だけですでに額面の10倍以上の価値があることになります。銀相場は日々変動するため、査定を受けるタイミングによって金額は前後します。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、買取相場、オークションでの取引実績、歴史的な位置づけなどがあります。
これを踏まえた上で、今回の東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の発行枚数、買取相場、オークション実績、歴史的な位置づけを見ていきます。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の発行枚数
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の発行枚数は、4万枚です(造幣局公式データ)。このうち、個人向け復興応援国債の保有者へ贈呈された分が8,425枚含まれるとされています。
発行時の販売価格は9,500円だったとされており、純銀を使用し加工も特殊なため、貨幣の製造等に要する費用が額面価格を上回る「プレミアム型」の記念貨幣とされています。
なお、このシリーズは全4次で発行枚数が異なり、1次60,000枚・2次40,000枚・3次40,000枚・4次40,000枚となっています(造幣局公式データ)。2次は1次に次いで発行枚数が多い回です。
同時発行された1万円金貨幣(2次)は11,000枚、販売価格は95,000円でした。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の買取相場
古銭場では、貴金属買取相場のデータとして、直近の取引実績をもとにした平均買取価格11,660円(2026年7月29日更新、参考取引件数9件)を保有しています。
(買取価格は銀相場や店舗、貨幣の状態によって日々変動します。あくまで参考価格としてご覧ください)
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)のオークションでの取引実績
人気需要に関しては、ヤフオクなどのオークションサイトを参考にしてもらい、いくらで取引されているのかを確認するのが良いです。
※ただ注意点として、オークションで取引されてる額はその貨幣の平均価格ではないです。その貨幣に傷や汚れがどれだけあるか(保存状態)によって価格が変動しますので注意して見てください。
では、今回の東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)を例に見ていきましょう。
| 落札日 | 落札価格 | 状態 |
|---|---|---|
| 7月26日 | 9,100円(15件入札) | 未使用 |
| 7月28日 | 10,150円(15件入札) | プルーフ貨幣セット |
| 8月9日 | 9,650円(14件入札) | 未使用・プルーフ貨幣セット |
| 7月21日 | 11,000円(17件入札) | 未使用 |
(Yahoo!オークションの終了済み取引のうち、出品名に「二次」「第二次発行分」と明記されている単体出品のみを個別に確認して作成。落札価格は商品の状態や付属品、落札日によって異なります)
買取参考価格・素材価値よりも高い水準で取引される例が目立ちます。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の歴史的な位置づけ
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)は、2011年の東日本大震災からの復興事業の財源を確保するために発行された個人向け復興応援国債と関連づけられた記念貨幣です。国債の保有者への贈呈と、一般向けの通信販売を組み合わせる形で、平成27年度中に第1次から第4次まで発行されました。2次の表面デザインは一般公募によって選ばれた作品で、復興特別区域に昇る日の出と折り鶴を通じて「希望の未来」への願いを表現しています。
ただし、この銀貨は発行から11年ほどが経過した記念貨幣であり、江戸時代の大判・小判や明治時代の金貨のような、長い年月を経た歴史的価値が確立しているわけではありません。
また記念貨幣は過去にも度々発行されており、今回が初めてではありません。そのため、記念貨幣だからと言って将来的に高い価値が付き続けると断定することはできません。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の偽物を見分けるポイント
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の本物と偽物を見分けるポイントを紹介します。
重量と直径を確認する
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)の公式な重量は31.1g、直径は40.0mmです。また、素材には純銀が使用されています。銀貨単体を精密な電子はかりとノギスで測り、重量や直径が公式の数値から外れている場合は、偽物の可能性があります。
ただし、造幣局のケースに入っている銀貨は、ケースを含めた重量では判定できません。確認のために無理にケースから取り出すと、銀貨に傷や指紋が付き、価値を下げるおそれがあるため注意してください。
図柄と刻印の精密さを確認する
表面の日の出と折り鶴、裏面の奇跡の一本松とハトは、いずれも彫刻が精緻に仕上げられています。「日本国」「NIPPON」「千円」「平成二十七年」の刻印が明瞭かどうか、レリーフ(浮き彫り)の線が細部まで滑らかかを、ルーペなどを使って確認しましょう。
偽物では、刻印が浅い、文字線が太い、文字の角が丸い、模様の一部が省略されているといった特徴が見られる場合があります。
プルーフ仕上げのコントラストを確認する
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)は、収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣です。背景部分が鏡のように磨かれ、図柄部分はつや消し(マット)に仕上げられており、両者のコントラストがはっきりと現れます。鏡面部分にくすみがある、コントラストが甘いといった場合は注意が必要です。
ただし、経年劣化や保管状態によって本物でも光沢が変化することがあるため、この点だけで断定することはできません。
磁石への反応を確認する
純銀は磁石にほとんど反応しません。磁石にはっきりと引き寄せられる場合は、偽物の可能性が高いといえます。
ただし、磁石に反応しないからといって本物と断定することはできません。鉄やニッケルを使った偽造品は磁石に反応することが多い一方、こうした金属を用いない精巧な偽物は磁石だけでは判別できない場合があるため、他の項目とあわせて確認してください。
付属品(ケース)を確認する
正規品は造幣局のケースに封入された状態で販売されています。ケースが開封・破損・改ざんされているものは、真贋の確認が難しくなります。ケースにひび割れや欠けがある場合は、査定額が下がる要因にもなるため注意しましょう。
なお、贈呈分は特製ケース(外箱が青色)に感謝状を添えて届けられており、通常の通信販売分(外箱が白色)とはケースの色が異なるとされています。ただし、贈呈分だからといってコインそのもののデザインが変わるわけではないため、ケースが無い状態では贈呈分かどうかの判別は困難です。真贋の判定に迷う場合は、古銭買取の専門業者や鑑定士に相談することをおすすめします。
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)を高く売る方法とは?
東日本大震災復興事業記念千円銀貨(2次)は銀行に持ち込むと額面通りの扱いしか受けられませんが、下表の通り発行時価格・素材価値・買取相場はいずれも額面を大きく上回ります。売却する際は銀行ではなく、古銭店や記念貨幣を扱う買取店で査定を受けることをおすすめします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1,000円 |
| 発行時の販売価格(参考) | 9,500円 |
| 素材価値 | 約10,427円(2026年8月12日時点) |
| 買取参考価格(現在) | 約9,000円〜1万1,000円台(古銭場データ・オークション実績より) |
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