東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)、この金貨は平成27年(2015年)、東日本大震災からの復興事業の財源確保を目的として、個人向け復興応援国債の保有者への贈呈および一般向け通信販売の形で発行された記念金貨です。第1次から第4次まで4回に分けて発行されたシリーズのうち、今回解説するのは表面デザインが異なる「第3次発行分」です。
なおこの3次金貨は、アメリカのKrause Publications社が主催する「コイン・オブ・ザ・イヤー」で「ベスト現代の出来事に係る貨幣」部門を受賞しており、シリーズの中でも特に評価の高い1枚です。
今回はそんな東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)とは?
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)は、平成27年(2015年)に日本政府が発行した記念貨幣です。造幣局公式サイトによると、申込受付期間は平成27年11月7日から11月30日でした。この記念貨幣は、1万円金貨幣と千円銀貨幣の2貨種で構成されています。
1.東日本大震災復興事業記念1万円金貨幣(第3次発行分) 2.東日本大震災復興事業記念千円銀貨幣(第3次発行分)
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)のデザインは、表面に復興特別区域の地図、折り鶴、そして「奇跡の一本松」があしらわれています。このデザインは一般公募によって採用された作品で、入選者は安田照夫氏(東京都)とされています。

裏面には、震災の津波被害を耐え抜いた「奇跡の一本松」とハトがデザインされています。この裏面デザインは、第1次から第4次まで全ての回で共通です。

「奇跡の一本松」は、岩手県陸前高田市の高田松原にあった松の木です。東日本大震災の津波によって周辺の松林(約7万本)が壊滅する中、この一本だけが立ち残ったことから「奇跡の一本松」と呼ばれ、復興のシンボルとなりました。ただし、津波そのものには耐えたものの、根に浸入した海水の影響で樹勢が衰え、平成24年(2012年)5月に枯死が確認されています。その後、幹の内部を保存処理したモニュメントとして現地に立てられており、現在私たちが目にする一本松は、生きた木ではなく保存加工された姿です。
なお、同時発行された千円銀貨幣(3次)は、純銀で量目31.1g、直径40mmの貨幣です。表面には日本国旗を掲げた少年がデザインされており、裏面は金貨と同じ「奇跡の一本松とハト」です。千円銀貨幣(3次)は4万枚発行され、販売価格は9,500円でした。
また東日本大震災復興事業記念1万円金貨・千円銀貨幣(3次)ともに、側面には斜めギザが採用されています。さらにこの金貨は、収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣です。図柄部分と背景とのコントラストがはっきりと際立つように仕上げられているのが特徴です。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。つまり、今回の東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の額面は1万円です。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。素材の価格の計算式は下記のように計算します。
素材価値(円) = 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)は純金(含有率100%)で重さが15.6g、直径は26mmです。古銭場のデータ(2026年8月6日更新時点)では、この金貨の素材価値は338,344.48円と算出されています。これを逆算すると、金の価格はおよそ21,690円/gという計算になります。
15.6g(重さ)×100%(含有量)×21,690円/g(金属価格)=338,344円
つまり、東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の素材の価格は約34万円だということがここで分かります。金相場は毎日変動するため、査定を受けるタイミングによって金額は前後します。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、買取相場、オークションでの取引実績、歴史的な位置づけなどがあります。
これを踏まえた上で、今回の東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の発行枚数、買取相場、オークション実績、歴史的な位置づけを見ていきます。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の発行枚数
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の発行枚数は、1万枚です(造幣局公式データ)。このうち、個人向け復興応援国債の保有者へ贈呈された分が812枚含まれるとされています(複数の買取業者サイトが一致して示す数値で、財務省・造幣局の公式統計そのものでは確認できていません)。
発行時の販売価格は95,000円だったとされています(こちらも複数の買取業者サイトが一致して示す数値で、財務省・造幣局の公式発表そのものでは確認できていません)。純金を使用し加工も特殊なため、貨幣の製造等に要する費用が額面価格を上回る「プレミアム型」の記念貨幣とされています。
なお、このシリーズは全4次で発行枚数が異なり、1次14,000枚・2次11,000枚・3次10,000枚・4次10,000枚となっています(造幣局公式データ)。3次は4次と並んで最も発行枚数が少ない回です。
同時発行された千円銀貨幣(3次)は4万枚、販売価格は9,500円でした。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の買取相場
古銭場では、貴金属買取を行う専門店が公表している買取価格データを確認しています。
- 七福本舗:329,700円(2026年8月7日時点、公式サイト公表。「3次」と明記)
(買取価格は金相場や店舗、貨幣の状態によって日々変動します。あくまで参考価格としてご覧ください)
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)のオークションでの取引実績
人気需要に関しては、ヤフオクなどのオークションサイトを参考にしてもらい、いくらで取引されているのかを確認するのが良いです。
※ただ注意点として、オークションで取引されてる額はその貨幣の平均価格ではないです。その貨幣に傷や汚れがどれだけあるか(保存状態)によって価格が変動しますので注意して見てください。
では、今回の東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)を例に見ていきましょう。
| 落札日 | 落札価格 | 状態 |
|---|---|---|
| 2月12日 | 437,250円(37件入札) | 未使用・プルーフ貨幣セット(第三次発行分明記) |
| 4月19日 | 420,050円(64件入札) | 未使用品クラス・プルーフ・ケース入り |
| 5月10日 | 400,000円(39件入札) | 未使用品クラス・プルーフ・ケース入り |
| 7月19日 | 373,555円(55件入札) | 未使用・第三者鑑定機関(PCGS)評価済み |
(Yahoo!オークションの終了済み取引のうち、出品名に「3次」「第三次発行分」と明記されているものを個別に確認して作成。落札価格は商品の状態や付属品、落札日によって異なります)
買取参考価格・素材価値よりも高い水準で取引される例が目立ちます。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の歴史的な位置づけ
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)は、2011年の東日本大震災からの復興事業の財源を確保するために発行された個人向け復興応援国債と関連づけられた記念貨幣です。国債の保有者への贈呈と、一般向けの通信販売を組み合わせる形で、平成27年度中に第1次から第4次まで発行されました。
3次の表面デザインは一般公募によって選ばれた作品で、復興特別区域の地図・折り鶴・奇跡の一本松を通じて復興への願いを表現しています。
この3次金貨は、アメリカのKrause Publications社が主催する「コイン・オブ・ザ・イヤー」の2017年度審査(2015年銘の貨幣が対象)において、「Best Contemporary Event Coin(ベスト現代の出来事に係る貨幣)」を受賞しています。この情報は造幣局の公式サイト(英語版)でも受賞歴として明記されており、シリーズ4次分の中でも国際的な評価が特に高い1枚と位置づけられています。
ただし、この金貨は発行から11年ほどが経過した記念貨幣であり、江戸時代の大判・小判や明治時代の金貨のような、長い年月を経た歴史的価値が確立しているわけではありません。
また記念貨幣は過去にも度々発行されており、今回が初めてではありません。そのため、記念貨幣だからと言って将来的に高い価値が付き続けると断定することはできません。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の偽物を見分けるポイント
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)の公式な重量は15.6g、直径は26mmで、素材には純金が使用されています。重量・直径の測定、図柄と刻印の精密さ、プルーフ仕上げのコントラスト、磁石への反応といった基本的な見分け方は次数共通です。詳しい確認手順は東日本大震災復興事業記念1万円金貨(4次)の偽物を見分けるポイントで解説していますので、そちらをご参照ください。なお、贈呈分は特製ケース(外箱が青色)に感謝状を添えて届けられており、通常の通信販売分(外箱が白色)とはケースの色が異なります。ただし、ケースが無い状態では贈呈分かどうかの判別は困難です。この3次は発行枚数が1万枚と少なく、市場流通量が限られています。真贋の判定に迷う場合は、古銭買取の専門業者や鑑定士に相談することをおすすめします。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)を高く売る方法とは?
東日本大震災復興事業記念1万円金貨(3次)は銀行に持ち込むと額面通りの扱いしか受けられませんが、下表の通り発行時価格・素材価値・買取相場はいずれも額面を大きく上回ります。売却する際は銀行ではなく、古銭店や記念貨幣を扱う買取店で査定を受けることをおすすめします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1万円 |
| 発行時の販売価格(参考) | 95,000円 |
| 素材価値 | 約338,344円 |
| 買取参考価格(現在) | 約33万円〜44万円台(買取業者公表データ・オークション実績より) |
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