平成24年(2012年)に発行された「第67回国際通貨基金・世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨」、この銀貨は、2012年10月に東京で開催された第67回IMF・世界銀行グループ年次総会を記念して発行された貨幣です。日本の記念貨幣として初めて「虹色発色」加工が施された1枚としても知られています。
今回はそんな第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
第67回国際通貨基金世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨とは?
第67回国際通貨基金・世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨幣は、2012年10月に東京で開催された年次総会を記念して、造幣局が発行した記念貨幣です。プルーフ貨幣セットの正式名称には「東京開催記念」の語が含まれています。造幣局によるプルーフ貨幣セットの頒布価格は8,000円、発行枚数は5万セット(平成24年度)でした。
デザインは、造幣局・財務省の公式資料では表面が「富士山と江戸の庶民」、

裏面が「世界地図」とだけ簡潔に説明されています。

より詳しい解説では、表面は葛飾北斎「冨嶽三十六景・山下白雨」の富士山と、歌川広重「東海道五十三次・日本橋朝之景」の場面を組み合わせたデザインとされています。
この銀貨の最大の特徴は「虹色発色」加工です。これは貨幣表面に非常に微細な溝を加工することで光の回折・干渉を起こし、見る角度によって7色にキラキラと変化して見える技術です。造幣局の技術開発資料によれば、この加工は平成22年(2010年)に記念メダルで実用化され、平成23年(2011年)にプルーフ貨幣セット用メダルで工業化された後、平成24年(2012年)に本貨幣で初めて「貨幣(コイン)」に適用された事例として位置づけられています。
素材は銀925・銅75の銀合金(純銀ではありません)で、重量31.1g、直径40mmのプルーフ仕上げの貨幣です。純銀ではなく銀925を採用しているのは、虹色発色をより鮮明にするための設計とされています。
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。つまり、今回の第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の額面は1000円です。
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。素材の価格の計算式は下記のように計算します。
素材価値(円) = 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨は銀925・銅75の合金で、重さが31.10g、直径は40mmです。古銭場では、この品位・重量をもとに現時点の銀相場から素材価値を算出しており、結果は下記の通りです。
素材価値:¥8,665.46
額面1000円に対して、素材だけで8倍以上の価値があることが分かります。なお、造幣局が発行時に頒布した価格(8,000円)と比べても、現時点の素材価値がそれを上回る水準まで来ていることが分かります。
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、買取相場、オークションでの取引実績、歴史的な価値などがあります。
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の発行枚数
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨幣プルーフ貨幣セットの発行枚数は5万セットです。
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨のオークションでの取引実績
人気需要に関しては、ヤフオクやメルカリなどのオークションサイトを参考にしてもらい、いくらで取引されているのかを確認するのが良いです。
※ただ注意点として、オークションで取引されてる額はその貨幣の平均価格ではないです。その貨幣に傷や汚れがどれだけあるか(保存状態)によって価格が変動しますので注意して見てください。
では、今回の第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨(プルーフ貨幣セット単体)を例に見ていきましょう。
| 落札日 | 落札価格 | 状態 |
|---|---|---|
| 7月12日 | 12,800円 | 未使用 |
| 6月8日 | 10,500円 | 未使用 |
| 5月8日 | 9,750円 | 未使用(極美品) |
(Yahoo!オークションの終了済み取引のうち、単体出品のみを参考に作成。落札価格は商品の状態や付属品、落札日によって異なります。なお「国際通貨基金」を含むより広い検索では、過去120日間で最安8,369円〜最高48,731円までの幅がある集計も確認できましたが、この幅には別商品の混入が疑われるため、上記は単体の実例として参考にしてください)
古銭場の素材価値・造幣局の頒布価格と近い水準、あるいはそれをやや上回る水準で取引されていることが分かります。
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の歴史的な価値
この銀貨は、2012年に東京で開催された国際会議を記念する貨幣であり、日本の記念貨幣として初めて「虹色発色」加工が施された点で、技術史的な位置づけを持つ1枚です。
一方で、発行から日が浅く、江戸時代の大判・小判のような、長い年月を経た歴史的価値が確立しているわけではありません。また記念貨幣は今後も度々発行されるため、記念貨幣だからといって将来的に高い価値が付き続けると断定することはできません。
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の偽物を見分けるポイント
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨の本物と偽物を見分けるポイントを紹介します。
重量を確認する
正規品の重量は31.1gです。精密な電子はかりで測り、±0.3g以上のずれがある場合は偽物の可能性があります。
磁石への反応を確認する
銀925(銀合金)は磁石に反応しません。磁石にはっきりと引き寄せられる場合は、偽物の可能性が高いといえます。
虹色発色の見え方を確認する
正規品は、見る角度によって表面の加工部分が7色にキラキラと変化して見える「虹色発色」加工が施されています。この虹色の輝きが見られない、あるいは鈍い場合は、偽造・粗悪品の疑いがあります。この加工技術は発行当時最新のものであったため、精巧な偽造品でも虹色の再現ができないケースが多いとされています。
品位の刻印を確認する
この貨幣の素材は銀925(銀合金)であり、純銀(銀1000)ではありません。刻印が「SILVER925」相当であることを確認し、「SILVER1000」など仕様と異なる刻印がある場合は注意が必要です。
プルーフケースを確認する
正規品は専用のプルーフケースに収納された状態で頒布されています。ケースがない、あるいは粗末なケースに入っている場合は、出所を慎重に確認したほうがよいでしょう。真贋の判定に迷う場合は、古銭買取の専門業者や鑑定士に相談することをおすすめします。
第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨を高く売る方法とは?
ここで、こうした記念硬貨を売りたい方へ注意点があります。それは、絶対に銀行で交換してもらわないこと。この銀貨は法定通貨(額面1000円の貨幣)のため、銀行に持っていくと1000円として扱われます。
しかし、重要なのはここからです。この銀貨は、発行当時、造幣局からプルーフ貨幣セットとして8,000円で頒布されました。つまり発行時点ですでに額面の8倍の価格で取引されていたことになります。また素材は銀925の合金で作られています。ということは銀価格の推移によって価格は変わるということです。
再度整理すると、第67回IMF世界銀行グループ年次総会記念千円銀貨は、
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1000円 |
| 発行時の頒布価格 | 8,000円(造幣局プルーフ貨幣セット) |
| 素材 | 銀925・銅75 |
| 素材価値(現在) | 約8,665円 |
| オークション実勢価格帯 | 約9,750円〜12,800円前後(単体・未使用の場合) |
つまり、額面よりも発行当初の頒布価格・素材価値・オークション実勢価格の方がはるかに高いことがここで分かります。
なので、もし売却を考えているなら、銀行へ持ち込むのは非常にもったいないです。古銭店や記念貨幣を扱う買取店、オークションなどで査定を受けるほうが高く売れる可能性があります。
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