地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)、この銀貨は、昭和22年(1947年)に施行された地方自治法が60周年を迎えたことを記念し、平成20年(2008年)から約8年間かけて47都道府県ごとに発行された記念貨幣シリーズの1枚です。47都道府県分・94種類という、日本の記念貨幣として最多の規模を誇るシリーズで、今回解説するのは長崎県版になります。
今回はそんな地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)とは?
地方自治法施行60周年記念貨幣は、財務省に設置された「地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合」での検討を経て、47都道府県すべての発行順序とデザインが決定され、平成20年度から順次発行されました。長崎県分は平成27年(2015年)10月1日から10月21日まで申込を受け付けています(造幣局公式データ)。
デザインは、表面に「大浦天主堂と椿」があしらわれています。

大浦天主堂は長崎市南山手町にある教会堂で、1864年末に竣工し、翌1865年2月に祝別された、国内に現存する最古のカトリック教会建築です。設計はフランス人宣教師のフューレ神父とプティジャン神父、施工は天草出身の大工棟梁・小山秀之進が手がけました。竣工から約1ヶ月後の1865年3月17日、聖堂を訪れた浦上の潜伏キリシタンがプティジャン神父に信仰を告白し、江戸幕府の禁教令下でも250年以上信仰が受け継がれていたことが判明した「信徒発見」の舞台としても知られています。1875年・1879年の増改築でゴシック様式に統一され、1933年に国宝指定(原爆による損傷からの復旧を経て1953年に再指定)を受けました。
なお、この銀貨が発行された平成27年(2015年)の時点では、大浦天主堂を含む「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」はまだユネスコ世界文化遺産に登録されておらず(登録は2018年7月)、世界遺産になる以前から国宝として高く評価されていた建築であることが分かります。
裏面は「雪月花」の図柄で、これは47都道府県すべての千円銀貨幣に共通のデザインです(造幣局公式データ)。

品位は純銀(品位1000)、量目(重さ)は31.1g、直径は40.0mmで、カラー加工が施されたカラーコインです。側面には斜めギザが採用されています。
なお、同時期に長崎県版の500円バイカラー・クラッド貨幣も発行されており、造幣局からの頒布は次のセット形態で行われました(造幣局公式データより)。
| セット | 販売価格(税込) |
|---|---|
| Aセット(銀貨単体) | 6,171円 |
| Bセット(銀貨+記念切手入り特製ケース) | 8,021円 |
| Cセット(銀貨+切手なし特製ケース) | 7,611円 |
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。
つまり、今回の地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の額面は1,000円です。
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。素材の価格の計算式は下記のように計算します。
素材価値(円) = 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)は純銀(含有率100%)で重さが31.1g、直径は40.0mmです。古銭場のデータ(2026年8月8日更新時点)では、この銀貨の素材価値は10,031.39円と算出されています。これを逆算すると、銀の価格はおよそ323円/gという計算になります。
31.1g(重さ)×100%(含有率)×約323円/g(金属価格)=10,031.39円
額面1,000円に対して、素材だけですでに額面の10倍前後の価値があることになります。銀相場は日々変動するため、査定を受けるタイミングによって金額は前後します。
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、買取相場、オークションでの取引実績、歴史的な位置づけなどがあります。これらを順に見ていきます。
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の発行枚数
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の発行枚数は、10万枚です(造幣局公式データ)。このシリーズは47都道府県すべてで発行枚数10万枚に統一されており、長崎県版だけが特別に少ない・多いということはありません。希少性という点では、47種類すべてが同水準の発行枚数ということになります。
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の買取相場
古銭場では、貴金属買取相場のデータとして、直近の取引実績をもとにした平均買取価格10,500円(2026年7月29日更新、参考取引件数15件)を保有しています。
(買取価格は銀相場や店舗、貨幣の状態によって日々変動します。あくまで参考価格としてご覧ください)
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)のオークションでの取引実績
人気需要に関しては、ヤフオクなどのオークションサイトを参考にしてもらい、いくらで取引されているのかを確認するのが良いです。
※注意点として、オークションで取引されてる額はその貨幣の平均価格ではないです。その貨幣に傷や汚れがどれだけあるか(保存状態)、AセットかBセットかによって価格が変動しますので注意して見てください。
では、今回の地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)を例に見ていきましょう。
| 落札日 | 落札価格 | 状態 |
|---|---|---|
| 6月11日 | 9,750円(7件入札) | 未使用・Aセット |
| 6月21日 | 9,251円(14件入札) | 未使用・切手付き |
| 6月29日 | 9,255円(10件入札) | 未使用・Bセット(切手付き) |
| 7月30日 | 9,027円(22件入札) | 未使用・Aセット |
(Yahoo!オークションの終了済み取引のうち、長崎県版の単体出品のみを個別に確認して作成。落札価格は商品の状態や付属品、落札日によって異なります)
素材価値・発行時の販売価格を上回る、9,000円台での取引が中心になっています。
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の歴史的な位置づけ
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)は、47都道府県すべてを対象とした記念貨幣シリーズの中の1枚で、地方自治への理解を深め地域活性化に寄与する目的で発行されました。
表面のデザインに採用された大浦天主堂は、幕末の開国にともなって長崎に置かれた外国人居留地の中に建てられた教会で、「信徒発見」という世界の宗教史に残る出来事の舞台であり、原爆による損傷を乗り越えて修復された歴史も持ちます。この銀貨が発行された時点(2015年)ではすでに国宝としての評価が確立していましたが、その3年後の2018年にユネスコ世界文化遺産に登録され、国際的にも価値が認められることになりました。
ただし、この銀貨は発行から11年ほどが経過した記念貨幣であり、江戸時代の大判・小判のような、長い年月を経た歴史的価値が確立しているわけではありません。また47都道府県すべてで同時期に同発行枚数の記念貨幣が作られているため、長崎県版だけが特別に希少というわけでもありません。
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)の偽物を見分けるポイント
このシリーズは全都道府県で規格(重量31.1g・直径40.0mm・純銀)が共通のため、重量と直径の測定、図柄とカラー彩色の精度、プルーフ仕上げの光沢、磁石への反応、付属ケースの確認といった基本的な見分け方も47都道府県で共通です。詳しい確認手順は地方自治60周年記念千円銀貨(岩手県)の偽物を見分けるポイントで写真付きで解説していますので、そちらをご参照ください。長崎県版で個別に確認できる点としては、大浦天主堂と椿の図柄部分の彫刻の精緻さです。彩色に色ムラ・にじみ・ズレがある場合は偽物の疑いがあります。真贋の判定に迷う場合は、古銭買取の専門業者や鑑定士に相談することをおすすめします。
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)を高く売る方法とは?
地方自治60周年記念千円銀貨(長崎県)は銀行に持ち込むと額面通りの扱いしか受けられませんが、下表の通り発行時価格・素材価値・買取相場はいずれも額面を大きく上回ります。売却する際は銀行ではなく、古銭店や記念貨幣を扱う買取店で査定を受けることをおすすめします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1,000円 |
| 発行時の販売価格 | 6,171円(Aセット)〜8,021円(Bセット) |
| 素材価値 | 約10,031円(2026年8月8日時点) |
| 買取参考価格(現在) | 約9,000円〜1万円台(古銭場データ・オークション実績より) |
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