平成27年(2015年)に発行された「地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)」について、今回は解説していきます。
この銀貨は、47都道府県それぞれの図柄をあしらった記念貨幣シリーズの1枚で、大阪府分には大阪城と文楽(人形浄瑠璃)の図柄が採用されています。
今回はそんな大阪府の地方自治60周年記念千円銀貨の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)とは?
地方自治法施行60周年記念貨幣は、1947年(昭和22年)に施行された地方自治法の60周年を記念し、2008年(平成20年)から47都道府県のデザインを1県ずつ順に取り上げて発行された記念貨幣シリーズです。財務大臣・総務大臣が発表したこのプログラムでは、額面通り金融機関で引き換えられる「500円バイカラー・クラッド貨」と、造幣局が事前申込・抽選によって直接販売する「1000円銀貨幣」の2貨種が、都道府県ごとに発行されました。
大阪府分の1000円銀貨幣は平成27年(2015年)9月に発行され、申込受付期間は同年9月9日から9月29日でした(造幣局公式資料)。
デザインは、表面に大阪城と文楽(人形浄瑠璃)があしらわれています。裏面は47都道府県共通で、雪月花の図柄です(年銘は発行年ごとに異なります)。
なお、この銀貨は収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣で、貨幣を傾けると、裏面の雪の結晶部分に「60」または「47」の文字が浮かび上がる潜像加工が施されているのが大きな特徴です。側面には斜めギザが採用されています。この潜像加工とギザ加工はシリーズ全都道府県共通の偽造防止技術で、造幣局が独自に開発し日本・アメリカ・イギリスで特許を取得しています。
発行枚数は10万枚で、追加発行は行われていません(このシリーズでは岩手県分のみ、国際的なコインコンペティションでの受賞を機に追加発行された例外があります)。
なお、同時期に発行された500円バイカラー・クラッド貨(大阪府分、図柄は仁徳天皇陵古墳)は170万枚で、こちらは金融機関の窓口で額面通り引き換えられる貨幣です。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。
これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。
例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。
つまり、今回の地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の額面は1000円です。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。
これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。
素材の価格の計算式は下記のように計算します。
素材価値(円)= 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)は純銀(銀100%)で、重さ31.1g、直径40.0mmです。
古銭場のデータ(記事執筆時点)では、この銀貨の素材価格は10,031.39円と算出されています。
つまり、額面1000円に対して、素材だけで額面の10倍以上の価値があるということが分かります。銀相場は日々変動するため、査定を受けるタイミングによって金額は前後します。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。
希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、現存枚数、人気需要、保存状態、歴史的価値などがあります。
これを踏まえた上で、今回の地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の発行枚数、人気需要、歴史的価値を見ていきます。
※上記3つ以外の2つの要素(現存枚数、保存状態)は現存枚数は把握不可能、保存状態は1枚ずつ違うため推測になってしまいます。なのでここでは説明を控えさせて頂きます。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の発行枚数
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の発行枚数は10万枚です(造幣局公式資料)。
このシリーズは都道府県ごとに一律10万枚が基本ですが、岩手県分のみ国際的なコインコンペティションでの受賞を機に追加発行が行われた例外があります。大阪府分にはこうした追加発行はなく、平成27年銘の10万枚のみが流通しています。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の人気需要
人気需要に関しては、ヤフオクなどのオークションサイトを参考にしてもらい、いくらで取引されているのかを確認するのが良いです。
※ただ注意点として、オークションで取引されてる額はその貨幣の平均価格ではないです。その貨幣に傷や汚れがどれだけあるか(保存状態)によって価格が変動しますので注意して見てください。
では、今回の地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)を例に見ていきましょう。
| 落札日 | 落札価格 | 状態・セット |
|---|---|---|
| 7月15日 | 9,010円 | 未使用・Aセット |
| 7月12日 | 12,000円 | 未使用・Aセット |
| 6月29日 | 8,850円 | 未使用・Bセット(切手付き) |
| 6月18日 | 12,500円 | プルーフ貨幣セット |
| 6月14日 | 10,500円 | 未使用・Aセット |
| 6月10日 | 16,000円 | 未使用・Bセット(未開封) |
※Yahoo!オークションの終了済み取引のうち、1セット単体の出品を参考に作成。落札価格は商品の状態やセットの種類(A/B/Cセット)、落札日によって異なります。
上記データのように、Aセット(銀貨単体)・Bセット(切手付き特製ケース)ともに8,000円台後半〜1万2千円台で取引される例が多く、状態の良い未開封品や切手付きセットではさらに高値が付く傾向が見られます。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の歴史的価値
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)は、1947年に施行された地方自治法の60周年を記念する47都道府県シリーズの1枚として、大阪城と文楽という大阪府を代表する文化的モチーフを後世に伝える貨幣です。
このシリーズの1000円銀貨幣は、造幣局に事前に申し込んだ希望者の中から抽選で購入者が決定され、代金引換で発送される仕組みが取られていました。単体セットの販売価格は6,171円(消費税・送料込)で、額面1000円に対してすでに6倍以上の価格が設定されたプレミアム型の貨幣だったことが分かります。
ただし、この銀貨は発行から10年ほどが経過しているとはいえ、江戸時代の大判・小判のような数百年単位の歴史的価値が確立しているわけではありません。また同じシリーズの記念貨幣は他の46都道府県分も存在するため、「大阪府」だからといって将来的に他県分より高い価値が付き続けると断定することはできません。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の偽物を見分けるポイント
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の本物と偽物を見分けるポイントは5つあります。
公式の重量・直径を確認する
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の公式な重量は31.1g、直径は40.0mmです。また、素材には純銀が使用されています。
精密な電子はかりとノギスで測り、これらの数値から大きくずれている場合は、偽物の可能性があります。
ただし、重量や直径が一致していても、それだけで本物とは断定できません。銀に近い比重の別の金属を使い、本物に近い重量へ調整した偽物も考えられるため、ほかの特徴と合わせて確認する必要があります。
潜像加工(傾けたときに浮かぶ文字)を確認する
このシリーズの1000円銀貨幣には、裏面の雪の結晶部分に潜像加工が施されており、貨幣を下向きに傾けると「60」の文字が、上向きに傾けると「47」の文字が浮かび上がります。
この潜像加工は造幣局が開発した偽造防止技術で、光の反射角度によって文字が見えたり消えたりする精密な加工です。角度を変えても文字がまったく浮かび上がらない場合や、常に文字が見えてしまっている場合は、偽物の可能性が高いといえます。
側面の斜めギザを確認する
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)の側面には、偽造防止のための斜めギザが全周に施されています。
偽物では、ギザの角度や間隔が不均一だったり、側面に継ぎ目が見られたりする場合があります。側面がツルツルしている、あるいはギザが真っ直ぐ(垂直)に入っているものは、この時点で偽物と判断できます。
プルーフ仕上げのコントラストを確認する
本物は収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣で、図柄部分の彫りが深く、鏡面のような背景とのコントラストがはっきりと現れます。
偽物では、このコントラストが甘く、図柄の輪郭がぼやけていたり、彫りが浅く平坦な印象になっていたりする場合があります。
ただし、経年劣化や保管状態によって本物でも光沢が変化することがあるため、この点だけで断定することはできません。
磁石への反応を確認する
銀は、一般的な磁石に強く引き寄せられる金属ではありません。
そのため、銀貨が磁石に明確にくっつく場合は、鉄やニッケルなどを使用した偽物の可能性があります。
ただし、磁石に付かなければ本物ということではありません。銅やタングステンなど、磁石にほとんど反応しない金属を使った偽物も考えられるため、他の項目とあわせて確認してください。
地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)を高く売る方法とは?
ここで、こうした記念硬貨を売りたい方へ注意点があります。
それは、絶対に銀行で交換してもらわないこと。
この地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)は銀行に持っていくと、1000円と交換されます。
理由は、地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)は法定通貨(額面1000円の貨幣)だからです。そのため、銀行では額面どおり1000円として扱われます。
しかし、重要なのはここからです。
この銀貨は東京オリンピック記念貨幣のように金融機関の窓口で額面交換されたものではなく、造幣局への事前申込・抽選という形で、額面を上回る価格(単体セットで6,171円、税込)で頒布されたプレミアム型の貨幣です。つまり、発行された時点からすでに額面の6倍以上の価格が付いていたということになります。
また素材の価格は純銀(銀100%)で作られています。ということは銀価格の推移によって価格は変わるということです。
再度整理すると、地方自治60周年記念千円銀貨(大阪府)は、
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1000円 |
| 発行時の販売価格 | 6,171円(税込・単体セット) |
| 素材 | 純銀(銀100%) |
| 素材価値(現在) | 約10,031円 |
| オークション実勢価格帯 | 約8,850円〜16,000円前後(1セット単体) |
つまり、額面よりも素材や希少性の価格の方が市場価格は大きいことがここで分かります。
なので、もし売却を考えているなら、銀行へ持ち込むのは非常にもったいないです。古銭店や記念貨幣を扱う買取店、オークションなどで査定を受けるほうが高く売れる可能性があります。
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