これは「地方自治法施行60周年記念貨幣」という、47都道府県それぞれをテーマにしたシリーズの1枚で、京都府分として平成20年(2008年)に発行されたものです。額面は1,000円ですが、オークション相場はおおむね8,000円〜1万9,000円で取引されています。この記事では、京都府分の千円銀貨の仕様や価格の内訳、偽物の見分け方、そして少しでも高く売るためのポイントを解説します。
地方自治60周年記念千円銀貨(京都)とは?
財務省・造幣局は、地方自治法の施行60周年を記念して2008年から2016年にかけて47都道府県ごとの記念貨幣を発行しました。各都道府県で1,000円銀貨(プルーフ貨幣)と500円のバイカラー・クラッド貨幣をペアで頒布する仕組みがとられており、京都府分はシリーズ最初期にあたる平成20年(2008年)銘の1枚で、「源氏物語千年紀記念式典」を記念のテーマに掲げています。
申込(販売申込)期間は平成20年8月22日〜9月12日で、頒布価格は6,000円のプルーフ貨幣セットとして販売されました。
基本スペック(1,000円銀貨幣)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行年 | 平成20年(2008年) |
| 発行枚数 | 10万枚 |
| 額面 | 1,000円 |
| 素材 | 純銀 |
| 量目(重量) | 31.1g |
| 直径 | 40.0mm |
| 縁(エッジ) | 斜めギザ |
| 仕上げ | プルーフ仕上げ |
表面には国宝「源氏物語絵巻」の「宿木三」(部分)が描かれています。

裏面は47都道府県共通のデザインで、「地方自治法施行60周年記念」の文字と雪月花の図柄、「千円」の文字が配置されています。

なお、同時に発行された500円貨(表面:国宝「源氏物語絵巻」の「宿木二」・部分、発行枚数205万枚)は素材がニッケル黄銅・白銅・銅の合金で、銀貨とは価値の考え方が異なります。この記事では1,000円銀貨を中心に解説します。
(出典:財務省 記念貨幣一覧 https://www.mof.go.jp/policy/currency/coin/commemorative_coin/kinenkaitiran.pdf 、造幣局 https://www.mint.go.jp/popup/data_kinen_page56.html )
価格の見方
1. 額面(1,000円)
貨幣としての法的な効力は額面の1,000円にとどまり、銀行に持ち込んでも1,000円としてしか扱われません。
2. 素材価値(銀の地金としての価値)
31.1gの純銀を使用しているため、銀相場に応じた地金価値があります。古銭場のデータでは、執筆時点の材質価値は約10,804円と算出されています。田中貴金属の店頭買取価格(1gあたり378.40円、2026年8月25日公表)で計算すると、31.1g×378.40円=約1万1,769円となります。(銀相場は日々変動するため、閲覧時点の価格によって前後します)
額面の1,000円に対し、素材価値だけでも1万円前後という点は、この銀貨の価値を考えるうえでの基本になります。
3. 希少性・プレミア価値
発行枚数は10万枚で、シリーズの中でも比較的多く発行されている部類です。また47都道府県分をまとめて集められる「コンプリート型」のシリーズであるため、単体で見たときの希少性プレミアはさほど高くありません。オークション相場が素材価値に近い水準に収まっているのはこのためです。
現在の実勢相場
Yahoo!オークションで直近の落札実績(造幣局純正のプルーフ貨幣セット・単品)を個別に確認したところ、実勢レンジはおおむね7,986円〜1万9,000円でした。切手付きの上位セット(Bセット・Cセットなど)は1万8,000円台まで値がつくこともあります。
なお、PCGSなど第三者鑑定機関で最高評価クラス(PR70DCAM)の認定を受けた個体は4万3,500円で落札された例があり、通常品とは別枠のプレミアがついています。
※他県とのセット品や複数枚のまとめ売りは、単価が把握できないためこの集計から除外しています。
偽物を見分けるポイント
このシリーズは47種類あり流通量も一定数あるため大規模な偽造報告は多くありませんが、購入・売却時には次の5点を確認しましょう。
- 重さを確認する:正規品の量目は31.1gです。1g以上の誤差があれば、素材違いの偽物を疑ってください。
- 磁石を当ててみる:純銀は磁石にくっつきません。反応するようなら別の金属で作られた偽物の可能性が高くなります。
- 表面の鏡面仕上げをチェックする:プルーフ貨幣ならではの鏡のような光沢が正規品の証です。くもりや光沢不足が見られる場合は経年劣化か模造品を疑いましょう。
- 側面のギザ加工を見る:斜めに均等なギザが刻まれているかを確認してください。
- 付属のケースがあるか確認する:本来は造幣局純正のプルーフ貨幣セットとして販売された品なので、ケースを伴わない単体流通品は入手経路を確かめておくと安心です。
見極めが難しいと感じたら、無理せず古銭・貴金属の専門鑑定業者に判断を仰ぎましょう。
高く売る方法
銀行での交換は避ける
銀行での両替・預け入れでは、この銀貨も額面どおり1,000円としてしか扱ってもらえません。素材価値だけで1万円前後になる貨幣を1,000円で手放すのは損なので、売却時は古銭・記念貨幣の専門買取業者に相談するのが賢明です。
売却先による違い
| 売却先 | 想定される評価額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 銀行での両替・預け入れ | 1,000円(額面のみ) | 貨幣としての価値しか評価されない |
| 貴金属店・質店(一般) | 素材価値ベース(1万円前後) | 銀の地金価値としては評価されるが、記念貨幣としての価値は評価されにくい |
| 古銭・記念貨幣専門の買取業者 | 実勢相場に近い評価(8,000円〜1万円台後半) | 状態・付属品(ケース・切手付きセットかどうか)まで含めて評価してもらえる |
47都道府県分がそろうシリーズなので、他の都道府県分も手元にあるならまとめて査定してもらうと効率的です。造幣局純正のケースやBセット・Cセットの付属品(記念切手など)があれば必ず伝え、実績豊富な古銭・記念貨幣専門業者に依頼しましょう。第三者鑑定を受けている場合はその評価書も添えると査定がスムーズです。複数業者で見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。岩手県版や福岡県版など、同シリーズの他の千円銀貨もあわせてチェックしてみてください。