令和3年(2021年)に発行された「郵便制度150周年記念千円銀貨」、日本の郵便制度は明治4年(1871年)に始まり、令和3年(2021年)4月に150周年を迎えました。この記念貨幣は、その節目を記念して財務省・造幣局が発行したものです。
今回はそんな郵便制度150周年記念千円銀貨の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
郵便制度150周年記念千円銀貨とは?
郵便制度150周年記念千円銀貨は、我が国の郵便制度が令和3年4月に150周年を迎えることを記念して、財務省が発行を公表し(2021年1月22日付)、造幣局が製造した記念貨幣です。
この記念貨幣は、額面1万円の金貨幣と額面千円の銀貨幣の2貨種で構成されています。
郵便制度150周年記念一万円金貨幣(発行数量2万個)
郵便制度150周年記念千円銀貨幣(発行数量5万個)
デザインは、表面に「郵便差出箱一号丸型」(いわゆる丸型ポスト)と郵便物搭載作業風景があしらわれ、

裏面には旧東京中央郵便局入口の図柄が刻まれています。

この千円銀貨幣は、他の多くの記念貨幣とは異なり、金融機関の窓口での引換えは行われません。造幣局が案内するはがき、または造幣局オンラインショップによる申込み(2021年4月21日〜5月11日、消印有効)のみで頒布され、申込多数の場合は抽選となりました。当選者への入金案内は2021年8月上旬頃から、製品の発送は同年8月下旬頃から順次行われています。造幣局の頒布価格は11,700円(消費税・送料込)でした。
素材は純銀、重量31.1g、直径40mmで、プルーフ仕上げ(鏡面研磨された極印を使用した特殊製造)の貨幣として発行されています。
郵便制度150周年記念千円銀貨の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
郵便制度150周年記念千円銀貨の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。
つまり、今回の郵便制度150周年記念千円銀貨の額面は1000円です。
郵便制度150周年記念千円銀貨の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。素材の価格の計算式は下記のように計算します。
素材価値(円) = 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)
郵便制度150周年記念千円銀貨は純銀で重さが31.16g、直径は40mmです。古銭場では、この品位・重量をもとに現時点の銀相場から素材価値を算出しており、結果は下記の通りです。
素材価値:¥9,780
額面1000円に対して、素材だけで9倍以上の価値があることが分かります。なお、造幣局が当初頒布した際の価格(11,700円)と比べると、現時点の素材価値はそれをやや下回る水準です。
郵便制度150周年記念千円銀貨の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、買取相場、オークションでの取引実績、歴史的な位置づけなどがあります。
郵便制度150周年記念千円銀貨の発行枚数
郵便制度150周年記念千円銀貨幣の発行数量は5万個です。同時発行された一万円金貨幣(2万個)より多いものの、記念貨幣全体としては比較的少ない部類に入ります。
郵便制度150周年記念千円銀貨のオークションでの取引実績
人気需要に関しては、ヤフオクやメルカリなどのオークションサイトを参考にしてもらい、いくらで取引されているのかを確認するのが良いです。
※ただ注意点として、オークションで取引されてる額はその貨幣の平均価格ではないです。その貨幣に傷や汚れがどれだけあるか(保存状態)によって価格が変動しますので注意して見てください。複数枚のまとめ売りや、他の記念貨幣とのセット出品も混在しているため、単体の取引かどうかも確認が必要です。
では、今回の郵便制度150周年記念千円銀貨(プルーフ貨幣セット単体)を例に見ていきましょう。
| 落札日 | 落札価格 | 状態 |
|---|---|---|
| 7月16日 | 11,100円 | 未使用(ケース入り) |
| 7月11日 | 12,001円 | 通常品 |
| 7月6日 | 11,001円 | 未使用 |
(Yahoo!オークションの終了済み取引のうち、単体出品のみを参考に作成。落札価格は商品の状態や付属品、落札日によって異なります。なお、過去180日間の集計では最安9,736円〜最高90,200円までの幅があり、複数枚のまとめ売りや他の記念貨幣とのセット品が平均値を押し上げている可能性があるため、上記は単体の実例として参考にしてください)
造幣局の頒布価格(11,700円)や素材価値(約9,780円)と近い水準で取引されていることが分かります。
郵便制度150周年記念千円銀貨の歴史的な位置づけ
郵便制度150周年記念千円銀貨は、明治4年(1871年)に始まった日本の郵便制度が令和3年(2021年)に150周年を迎えたことを記念する貨幣です。
発行から日が浅く、江戸時代の大判・小判や明治時代の金貨のような、長い年月を経た歴史的価値が確立しているわけではありません。また記念貨幣は今後も度々発行されるため、記念貨幣だからといって将来的に高い価値が付き続けると断定することはできません。
郵便制度150周年記念千円銀貨の偽物を見分けるポイント
郵便制度150周年記念千円銀貨の本物と偽物を見分けるポイントを紹介します。
重量・直径を確認する
正規品の重量は31.1g、直径は40mmです。精密な電子はかりとノギスで測り、これらの数値から大きくずれている場合は偽物の可能性があります。
磁石への反応を確認する
純銀は磁石に反応しません。磁石にはっきりと引き寄せられる場合は、鉄やニッケルをベースにしたメッキ品など、偽物の可能性が高いといえます。
ただし、磁石に反応しない場合でも、銅や亜鉛に銀メッキを施した粗悪品も存在するため、重量・直径・表面の光沢とあわせて総合的に確認してください。
プルーフ仕上げの精密さを確認する
正規品はプルーフ仕上げ(鏡面研磨された極印を使用した特殊製造)で作られています。背景の鏡面部分にくすみがある、丸型ポストや作業風景の図案の描写が粗いといった場合は注意が必要です。
なお、この貨幣には表面の丸型ポスト部分にカラー印刷が施された仕様も知られていますが、通常仕様との発行枚数・価格の内訳については確認が取れていません。色彩が施されている場合は、発色の鮮明さやムラの有無も確認しておくとよいでしょう。
付属ケースを確認する
正規品には造幣局発行の専用ケースが付属します。ケースがない、あるいは粗末なケースに入っている場合は、出所を慎重に確認したほうがよいでしょう。
フリマ・ネットオークションで市場価格より著しく安い出品は、レプリカ・偽物の可能性が高い危険信号です。確実な真贋鑑定には、古銭買取の専門業者や鑑定士への相談をおすすめします。
郵便制度150周年記念千円銀貨を高く売る方法とは?
ここで、こうした記念硬貨を売りたい方へ注意点があります。それは、絶対に銀行で交換してもらわないこと。この郵便制度150周年記念千円銀貨は法定通貨(額面1000円の貨幣)のため、銀行に持っていくと1000円として扱われます。
しかし、重要なのはここからです。
この銀貨は、他の記念貨幣のように金融機関の窓口で額面通り交換される形では発行されませんでした。造幣局への申込み・抽選という形で頒布され、発行時点の頒布価格は11,700円(消費税・送料込)と、額面の10倍を超える価格で販売されています。
また素材は純銀で作られています。ということは銀価格の推移によって価格は変わるということです。
再度整理すると、郵便制度150周年記念千円銀貨は、
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1000円 |
| 発行時の頒布価格 | 11,700円(消費税・送料込、造幣局) |
| 素材価値(現在) | 約9,780円 |
| オークション実勢価格帯 | 約1万円〜1万3千円前後(単体・並品の場合) |
つまり、額面よりも発行当初の頒布価格・素材価値・オークション実勢価格の方がはるかに高いことがここで分かります。
なので、もし売却を考えているなら、銀行へ持ち込むのは非常にもったいないです。古銭店や記念貨幣を扱う買取店、オークションなどで査定を受けるほうが高く売れる可能性があります。
古銭場では、複数の買取会社を比較し、お客様に合った買取会社をご紹介しています。まずは各社の無料査定をご利用いただき、査定額やサービス内容を比較してみてください。