聖火台と五輪マークが描かれた100円玉を、実家の引き出しや小銭入れから見つけた方も多いのではないでしょうか。これは昭和47年(1972年)の札幌冬季オリンピックを記念して発行された100円硬貨です。この記事では、札幌冬季オリンピック記念100円白銅貨の基本情報と、「状態によって価値が大きく変わる」という重要なポイント、そして偽物との見分け方や高く売るコツを解説します。
札幌冬季オリンピック記念100円白銅貨とは?
昭和47年(1972年)2月3日に開幕した札幌冬季オリンピックを記念し、同年1月28日から発行された記念貨幣です。日本で初めて開催された冬季オリンピックを記念する貨幣として発行されました。
基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行年 | 昭和47年(1972年) |
| 発行枚数 | 3,000万枚 |
| 額面 | 100円 |
| 素材 | 白銅(銅75%・ニッケル25%) |
| 量目(重量) | 12.0g(通常の100円硬貨は4.8g) |
| 直径 | 30.0mm(通常の100円硬貨は22.6mm) |
| 縁(エッジ) | ギザ |
表面には聖火台のレリーフが、

裏面には五輪マークと雪の結晶をモチーフにした雪紋(初雪)が描かれています。

通常の100円硬貨よりも一回り大きく、重みがあるのが特徴です。
(出典:財務省 記念貨幣一覧 https://www.mof.go.jp/policy/currency/coin/commemorative_coin/kinenkaitiran.pdf )
価格の見方【重要】状態によって価値が大きく異なります
この貨幣も、沖縄復帰20周年記念500円白銅貨などと同様に、「どういう状態で持っているか」によって価値がまったく違う貨幣です。
1. 普通に流通していた1枚だけの状態(額面同然、またはそれ以下)
3,000万枚という大量発行のため、この100円玉は今でも比較的見つけやすい記念貨幣です。使用感のある1枚だけであれば、価値は額面の100円とほぼ変わりません。実際にYahoo!オークションでは、複数枚まとめての出品では1枚あたり100円を下回る価格で取引される例も多く見られます。単体で「未使用品」として出品されているものでも、150円〜380円程度にとどまるのが実情です。
2. 第三者鑑定機関でトップクラスの評価を受けている場合
PCGSなど第三者鑑定機関でミントステート(未使用)評価(MS62〜MS64等)の鑑定を受けた個体は、3,600円〜5,561円程度で取引されています。鑑定によって「傷や摩耗が極めて少ない状態」であることが証明されている点が、通常の流通品とは大きく異なる価値の源泉です。
つまり、この貨幣は素材(白銅)自体に貴金属としての価値はなく、鑑定を受けた極めて状態の良い個体だけが額面を大きく上回る価値を持つ、という点を理解しておく必要があります。
偽物・状態を見分けるポイント
素材に貴金属を使っていないため模造の動機は大判・小判ほど高くありませんが、購入・売却時には次の5点を確認しましょう。
- 重量・直径を確認する:正規品は12.0g・直径30.0mmです。通常の100円硬貨(4.8g・22.6mm)とは明確に異なります。
- 磁石を近づける:白銅は磁石に反応しません。強く吸い付く場合は鉄系素材が混入した模造品の疑いがあります。
- 図柄の彫りの深さを確認する:表面の聖火台や「SAPPORO」の刻印、裏面の五輪マークの彫りが浅い・ぼやけている場合は偽造品の可能性があります。
- エッジ(側面)のギザを確認する:ギザが不揃い、または仕上げが粗い場合は注意が必要です。
- 清掃していないか確認する:自分で磨いてしまうと表面の凹凸・光沢が失われ、査定額が下がります。清掃はせず、そのままの状態で保管・査定に出しましょう。
なお、まれに刻印がずれた「傾打エラーコイン」が存在し、ズレが大きいものは通常品よりも高値で取引される場合があります。真贋や価値判断に迷う場合は、無理に自己判断せず古銭専門の買取業者に相談してください。
高く売る方法
まずは「どのタイプか」を見極める
この貨幣を高く売るための第一歩は、自分が持っているものが「普通の使用済み1枚(または複数枚)」なのか、状態が極めて良く鑑定に出す価値があるものなのかを見極めることです。使用感のある普通の1枚であれば、無理に買取に出さずそのまま使ってしまっても実質的な損はほとんどありません。
売却先による違い
| 状態・売却先 | 想定される評価額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 普通に使われていた1枚(銀行・店舗での利用) | 100円(額面) | そのまま使うのが最も確実 |
| 未使用に近い美品(一般の買取業者) | 100円台〜数百円程度 | 状態次第で額面をやや上回る程度 |
| 第三者鑑定機関でトップグレードの個体 | 3,600円〜5,500円程度 | 鑑定書付きであることが評価の前提 |
| まとまった枚数を保有している場合 | まとめて査定 | 大量に持っている場合は一括査定が効率的 |
実家の整理などでまとまった枚数が見つかった場合や、傾打エラーなど特殊な個体、非常に状態の良い1枚をお持ちの場合は、古銭・記念貨幣の専門買取業者に相談することをおすすめします。すでに第三者鑑定機関の鑑定を受けている場合はその評価も伝え、複数の業者で見積もりを比較すると、より納得のいく売却につながります。