この金貨は平成31年(2019年)に、天皇陛下(現在の上皇陛下)の御在位30年を記念して日本政府が発行した記念金貨です。単体セットだけで33万件を超える申込みが寄せられ、抽選でようやく手に入る人気ぶりでした。なお、同じ2019年には「天皇陛下御即位記念1万円金貨幣」(令和元年発行)という別の記念金貨も発行されているため、名前が似ている両者を混同しないよう注意してください。今回はそんな天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の価値と買取相場、見分け方について解説していきます。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨とは?
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨は、平成31年(2019年)の天皇陛下御在位30年を記念して、日本政府が発行した記念貨幣です。この記念貨幣は、1万円金貨幣と500円バイカラー・クラッド貨幣の2貨種で構成されています。1.天皇陛下御在位30年記念1万円金貨幣2.天皇陛下御在位30年記念500円バイカラー・クラッド貨幣天皇陛下御在位30年記念1万円金貨のデザインは、表面に鳳凰と桐、白樺があしらわれています。

裏面には、皇室の御紋章である菊花紋章が刻まれています。

なお、同時発行された500円バイカラー・クラッド貨幣は、ニッケル黄銅・白銅・銅の3層構造でできており、量目7.1g、直径26.5mm、側面には異形の斜めギザが採用されています。また天皇陛下御在位30年記念1万円金貨の側面には、斜めギザが採用されています。さらにこの金貨は、収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣です。図柄部分と背景とのコントラストがはっきりと際立つように仕上げられているのが特徴です。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の価格の見方
ここで、前提として貨幣の価格の決め方は大きく分けて3つあります。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の額面の価格
1つ目は額面の価格になります。これは要はそのお金に印刷・刻印されている「公式な価値」のことです。例えば、100円玉の額面は100円、500円玉の額面は500円になります。つまり、今回の天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の額面は1万円です。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の素材の価格
2つ目は素材の価格になります。これはその貨幣に使われている金属そのものの価値のことです。素材の価格の計算式は下記のように計算します。素材価値(円) = 重さ(g) × 含有率(%) × 金属価格(円/g)天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨は純金で重さが20g、直径は28.0mmです。古銭場では、この金貨の素材価格は421,926円と算出されています。これを逆算すると、金の価格はおよそ21,096円/gという計算になります。20g(重さ)×100%(含有量)×21,096円/g(金属価格)=421,926円つまり、天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の素材の価格は約42万円だということがここで分かります。金相場は毎日変動するため、査定を受けるタイミングによって金額は前後します。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の希少性の価格
希少性の価格は「どれだけ手に入りにくいか」「どれだけ欲しい人がいるか」によって上乗せされる価値のことです。希少性の価格を測る上で必要な要素としては、発行枚数、現存枚数、人気需要、保存状態、歴史的価値などがあります。これを踏まえた上で、今回の天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の発行枚数、人気需要、歴史的価値を見ていきます。※上記3つ以外の2つの要素(現存枚数、保存状態)は現存枚数は把握不可能、保存状態は1枚ずつ違うため推測になってしまいますので、ここでは説明を控えさせて頂きます。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の発行枚数
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の発行枚数は、合計5万枚です。内訳は、金貨単体のプルーフ貨幣セットが2万枚、500円バイカラー・クラッド貨幣とのプルーフ貨幣2点セットが3万枚となっています(造幣局公式発表)。発行時の販売価格は、金貨単体セットが138,000円、2点セットが140,000円でした(造幣局公式発表)。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の人気需要
人気需要に関しては、ヤフオクなどのオークションサイトを参考にしてもらい、いくらで取引されているのかを確認するのが良いです。※注意点:オークションで取引されてる額はその貨幣の平均価格ではないです。その貨幣に傷や汚れがどれだけあるか(保存状態)、鑑定機関の評価があるかによって価格が変動しますので注意して見てください。では、今回の天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨を例に見ていきましょう。
| 落札日 | 落札価格 | 状態 |
|---|---|---|
| 2025年10月11日 | 460,000円(手数料込み535,900円) | 未使用・プルーフ、ケース付(銀座コインオークション第125回) |
| 2026年7月19日 | 462,000円 | 未使用・プルーフ貨幣単体 |
| 2026年7月3日 | 470,800円 | 未使用・金貨+500円貨2点セット(41件入札) |
※Yahoo!オークションの終了済み取引より。落札価格は商品の状態や付属品、落札日によって異なります。上記データのように、おおよそ45万円〜47万円前後で取引される例が目立ちます。また、NGCなど第三者鑑定機関で最高評価(PF70等)を受けた個体は69万円で落札された例もあり、鑑定済み品はさらに高値で取引される傾向にあります。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の歴史的価値
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨は、平成31年(2019年)の天皇陛下御在位30年を後世に伝える記念貨幣です。造幣局の公式発表によると、金貨単体セットは申込数331,782個に対して販売数20,000個(抽選対象18,000個)で、当選倍率は18.4倍でした。金貨と500円貨の2点セットは申込数415,874個に対して販売数30,000個(抽選対象27,000個)で、当選倍率は15.4倍でした。このことから、発行当初から非常に高い倍率の抽選となるほど人気を集めた記念金貨だったことが分かります。ただし、この金貨は発行から約7年が経過した記念貨幣であり、江戸時代の大判・小判や明治時代の金貨のような、長い年月を経た歴史的価値が確立しているわけではありません。また記念貨幣は過去にも度々発行されており、今回が初めてではありません。そのため、記念貨幣だからと言って将来的に高い価値が付き続けると断定することはできません。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の偽物を見分けるポイント
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の本物と偽物を見分けるポイントは5つあります。
公式の重量と直径を確認する
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の公式な重量は20g、直径は28.0mmです。また、素材には純金が使用されています。金貨単体を精密な電子はかりとノギスで測り、重量や直径が公式の数値から大きく外れている場合は、偽物の可能性があります。ただし、造幣局のケースに入っている金貨は、ケースを含めた重量では判定できません。確認のために無理にケースから取り出すと、金貨に傷や指紋が付き、価値を下げるおそれがあるため注意してください。また、重量と直径が一致していても、それだけで本物とは断定できません。別の金属を使い、本物に近い重量へ調整した偽物も考えられるため、ほかの特徴と合わせて確認する必要があります。
図柄と文字の細部を確認する
本物の表面には「鳳凰・桐・白樺」、裏面には「菊花紋章」が描かれています。偽物では、文字や図柄の輪郭がぼやけていたり、細い線が潰れていたりする場合があります。ルーペなどを使って確認し、文字の太さ、配置、間隔に不自然な点がないかを見ることが重要です。
プルーフ仕上げのコントラストを確認する
本物は収集用に特別な製造方法で仕上げられたプルーフ貨幣で、図柄部分と背景部分のコントラストがはっきりと現れますが、偽物では、このコントラストが甘く、全体的に均一な光沢や質感になっている場合があります。ただし、経年劣化や保管状態によって本物でも光沢が変化することがあるため、この点だけで断定することはできません。
側面の斜めギザを確認する
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の側面には、斜めギザが採用されていますが、偽物では、ギザの角度や間隔が不均一だったり、途中に継ぎ目があったり、側面の厚みが一定でなかったりする場合があります。次のような特徴がないか確認してください。
- ギザの角度がそろっていない
- ギザの間隔が不自然
- 側面に継ぎ目や削った跡がある
- 金色の表面が剥がれて別の金属が見えている
- 金貨の厚みにばらつきがある
ただし、金貨が特製ケースに入っている場合は側面を確認しにくいため、無理に取り出さないようにしてください。
磁石への反応を確認する
純金は、一般的な磁石に強く引き寄せられる金属ではありません。そのため、金貨が磁石に明確にくっつく場合は、鉄やニッケルなどを使用した偽物の可能性があります。ただし、磁石に付かなければ本物ということではありません。銅や銀、タングステンなど、磁石にほとんど反応しない金属を使った偽物も考えられます。また、金貨を傷付けたりケースを破損させたりしないよう、強い磁石を直接ぶつける方法は避けてください。磁石による検査は、あくまでも簡易的な確認方法の一つです。
天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨を高く売る方法とは?
ここで、こうした記念硬貨を売りたい方へ注意点があります。それは、絶対に銀行で交換してもらわないこと。この天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨は銀行に持っていくと、1万円と交換されます。理由は、天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨は法定通貨(額面1万円の貨幣)だからです。そのため、銀行では額面どおり1万円として扱われます。しかし、重要なのはここからです。今回のこの天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨の発行時の販売価格は、金貨単体セットで138,000円、500円貨とのセットで140,000円でした。また素材の価格は純金で100%、金で作られています。ということは金価格の推移によって価格は大きく変わるということです。再度整理すると、天皇陛下御在位30周年記念1万円金貨は、
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 額面 | 1万円 |
| 発行時の販売価格 | 138,000円(単体)/140,000円(500円貨とのセット) |
| 素材 | 純金 |
つまり、額面よりも希少性や素材の価格の方が市場価格は大きいことがここで分かります。なので、もし売却を考えているなら、銀行へ持ち込むのは非常にもったいないです。古銭店や記念貨幣を扱う買取店、オークションなどで査定を受けるほうが高く売れる可能性があります。古銭場では、複数の買取会社を比較し、お客様に合った買取会社をご紹介しています。まずは各社の無料査定をご利用いただき、査定額やサービス内容を比較してみてください。